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Vol  28
「お花の調達(仕入れ)方法が変る。」



花の仕入れ(セリ競売)に見えない変化が……・。
いや〜久しぶりに専門的な域のお話をしますね。 ここのところはお花屋さんのホームーページ関連が多かった ものですから……・・。

これはこれで反響はあったのですが、忘れた頃にプロフェッショナルな 部分も書かないとお前は何屋だ!と言われかねませんもんね。

そんでもって本業の分野へ舞い戻ります。 (最近は副業になりつつあります。) 私の本業は花業界人です。職種はご想像におまかせ、と言う事です。 ある方面から最近は変人と言われています。 また、お前は花業界人ではないと同業者に言われてしまう始末です。


仕方ありません。なんでも首を突っ込んで、お邪魔してるもんですから。
ところで花のプロ連中が商材を調達するルートですが、どうも表向きは 以前と変りないように見えますが、実は……裏では? 様々な動きがあります。

先に言っときますけど今回のメルマガは仕入れの方法などを解説したものではありません。花流通が将来どんな形態になるのだろうか?と言う事を 占って見ようと言うものです。

だから、ここで詳しくセリ売りのことに付いての解説はやりません。
これから花屋さんをおはじめになる人や仕入れに困っている人は こちらをお読みなってくださいね。仲卸を上手く使う方法などを連載で レポートしてくれますから、是非“お気に入りへ追加してくださいね。

読者からの投稿レポートです。「実践!花の仲卸攻略ガイド」
http://www2.neweb.ne.jp/wd/fcons/REPORET-B2-2.htm

市場法の矛盾

いきなり市場での荷物の流れ方について言及しますが、 現状の市場法では原則、競り売りへ40%相対売り60%という入荷量の配分 についての枠組みがあります。しかし、この数字も全てが曖昧です。 一産地、一品目、一等級を原則として各々の振り分けでしたら、 何の問題もありません。解りますか?


現行の市場法ではなんびとたりとも公平な商取引のチャンスを与えられる 権利を有しているというのが基本です。つまり大きな花屋さんも小さな花屋さんも、また仲卸でも同じ条件下での取引が行えるという事になっています。

もちろん、その力関係によっては買える買えないとした結果は仕方がない ことですが、スタートラインに立てるということは保証している事になります。

しかし、現実は下記のような実態が見えてきます。
たとえば、ある産地の赤バラが秀品1,000本)良品1,000本)優品1,000本) という形で市場へ出荷した場合、総出荷本数は3,000本です。

これを公平に市場法(4:6)を適応すれば、セリに上場する赤バラは…・・?
そうですね誰が計算してもこんな簡単な算数は出来ますよね。
セリには秀・優・良、各等級の400本ずつ上場されるですよね。
でも、現実は違います。では、どう違うかいえば 出荷総本数を基本として計算するんですね。で、どうなるか?

等級の上から60%がセリ現場から消えてなくなる。
つまり残った品1200本の内訳は優品200本)良品1,000本です。
最上級とされる秀品はどこにもありません。あれれですね。 なぜこんな結果になるかには、ふか〜い、深〜い欲の塊があるんです。

あっ、ごめんなさい“欲”なんて書いて、訂正します。 健全なる利潤の追求です。ということで最上級の秀品はいずこへと言う事を皆さん知りたいですか? それは、仲卸・地方他市場・優良花店(大手)に流れているのです。

なぜこうなるか? それは、相場を崩したくないという利害が荷受会社と生産者側で一致して いるからです。その為に農水省にお願いして市場法の改正をしたのです。

相場を作るのは最上級の品です。その際上級を商物一致(セリ)と言う公平な審査基準機能を避けて売り手優位を保ちたいが為、卸す側が定価をつけて いるというのが現状です。

本音から言えば、デフレの時代はオークションと言う仕組みは、待てば待つほど価格は下がります。ですから時間的問題が解決できれば誰しもセリ(オークション)で買った方がお得なんです。 そんな中、仲卸も分銭の商売ですから、利率の良い品を求めます。


つまり安く買って高く卸すということです。その意味から言えば、利率の 少ないましてや利益の足を引っ張る危険性の高価な秀品をいつもいつも 抱えるわけには行かないという本音も見えてきます。 でも、市場からの圧力で付き合ってくれと言われれば、時にはしぶしぶ つきあう事もしなくてはならないんですね。

だから、どこの市場でも 仲卸と市場側で争いが絶えません。 「仕切り値が、高すぎる。」 「こんな価格では生産者泣いちゃいますよ。」という今も昔も変らない 攻防がここにはあります。

こういった取引状況を見てみますと、市場原理(しじょうげんり)という 需給で、ものの価値が決定される自由経済の基本を犯していると思いませんか。また、この相対システムを強く推進している市場ほど実績は顕著に伸びています。成績の伸びている内訳は入荷量もさる事ながら、高単価の相対取引での 価格の上昇が何よりも貢献ポイントが高いようです。


そして、こう言った 相対システムに熱心な市場には全国から荷物が一層集中します。それに伴ってお客(買参人)も増えてきます。 この相対システム推進の理由に付いては、市場施設敷地面積の有効活用 という物理的な効率もさることながら、やはり高値安定という相場を保てると いうことが一番の理由と考えられます。誤解しないで欲しいのですが、相対売りというシステムは生産者保護、市場保護の為にだけあるシステム ではありません。販売者側から見れば時間の効率化と商材確保が一番でしょう。


しかし確保と いう担保を取るわけですから、高値安定と言う保証を収めなくてはなりません。まあ、セリ主体で仕入をするのか、また相対かと悩むところですが、どちらが 次世代の仕入れ方法かは議論の余地はないと思います。


現実には現状の花屋さんの80〜90%はセリへの思考が強い様に思われます。ですが、このシステムを有効に使う事の出来るのは、まだまだ大量販売を可能とする仲卸か一部量販店ぐらいしかいないんですね。

ここまで書いて気が付いたんですが相対売りの説明がなかったですね。
セリ売りにかからない取引、つまり見えない部分で売買されている 取引システムです。


◆将来の花流通の仕組みはこうなるだろう……?

いきなりですが将来の花流通はこうなるだろうという大胆且つ勝手な予測です。

・ 全国で5〜10の基幹大型市場で一次荷受に整備される。
 各メガ市場の年商は500〜1,000億円程度。販売手数料は5%程度と なるため、 ほとんどの生産者団体はここへ出荷するようになる。 しかし、出荷条件が今以上に 厳しくなり、そのため産地側も農協、経済連と いう枠組みの中で大型産地としての 地位を確立できないものは衰退する。

 また、産地の独占支配を目指すメガ市場は産地との契約栽培も盛んに 行われる ようになる。 (畑をまるまる市場が買い上げると言う事。)  これについては表には出ていませんが、ぽちぽちやっていると思うよ。

・ 基幹市場枠組みから落ちこぼれた中小の市場は仲卸等と提携を繰り返し 大型二次問屋として生まれ変わり 今より密の濃いサービスを全国展開 で手がけるようになる。  ほぼ規制外での商いが可能となるため買参権なしでだれでも 調達が可能となり相対・注文・予約・ネット・店頭卸など、あらゆる販売システムを 駆使してサービス競争になる。セリ売りは自然消滅でなくなる。 ネットオークションやネット市場は弱体化して消滅する。


・ 小売その他のサービス業は全国の二次問屋からの仕入れになる。
 それに伴い仕入れ価格の平均化が進み、相場の上下での利潤追求は 薄利となる。そして今以上に店の個性が大切な販売ポイントとなり、 益々厳しい営業活動を強いられるが、最終的にはこれらの競争を乗り越えた 花商の努力の成果でエンドユーザーの支持を獲得するようになり、今以上 に繁栄する小売店が全国にちらほら出現する。  また、益々ネットショップが増える。 そして花業界全体の業績は上がり繁栄期を迎える。


・ 一方、新たなメガ量販店の出現で花の小売価格は下がる。
 日本の不動産の実質価値は今の半分が正価と言う声や株価も世界的競争力 から見てもまだ高すぎると言うように花の卸値もまだまだ下がる。 これらメガ量販店は国内外生産者との契約栽培や一次荷受からの大量 調達で低価格販売を実現する。


・ 一次荷受への出荷態勢が整備できず、また経済連や農協の枠組みに 入れない、また入らないとする生産者は二次問屋への売りこみになるが、 単独での販売活動は厳しい現実をつき付けられ衰退するか、再考を重ね 経済連や農協の枠組みに入るようになる。

一方、自力で販売網を確立できるカリスマ生産者も出現するが、それは優良生産物を生産している間でこれが出来なくなるとその販売網も、もろくも崩れ去るだろう。




編集後記
過去の繁栄に大きく寄与してきた専門花店は益々弱体化を強いられます。 また、それに伴い花商団体組合の弱体化も進みます。 過去の様に市場・生産側との対等な立場を保つ為には過去の営利一辺倒の 私欲に走った自らの反省に立って、広く業界、消費者意識の変化を真摯に 受け止め、更なる一致団結を望んでいるでしょうが、花流通の変化に伴い 益々弱体化するというのが、大きなお世話ですが私の見解です。

だって組織力を強化してもその組織力をどこに向かってぶつけようというの でしょうか?ぶつかる相手がいなければ必要ないもの。 相対する物がなければなんもないもん。向ける相手が違うじゃないの。

そのパワーをサービスというパワーに変えて エンドユーザーに向ければ良いのにね。 日本の生産業も外国から買ったほうが安いという現実を知るべきです。どんなに頑張っても製造業の明日は厳しいです。 日本は輸出国から輸入国へ変る。そしてサービス業が繁栄する。 花業界も現状のままでいけば大型荷受市場だけが将来の繁栄システムに乗っているでしょうね。



◆花屋の本音トーク (花の話題に限定していません。)
人間は理解不能な現象にぶつかると無視をする。
「俺には関係ないよ。興味ないよ。」といったふうにね。
花屋の世界には季節毎にイベントがある。
例えば母の日やお彼岸、年末需要など。
イベント前後とイベント中の二重人格。
イベント前はこれで良いのか、と現状の商売を悩む。
イベント中はこれでいいのかなって妥協する。
イベント後はやっぱり何か妙案はないかと更に真剣に悩む。

そして気が付いたら毎年同じ事の繰り返しで時代だけが先を行く。


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