花大好きどっとこむ花レポーター募集 第五弾

今、花作りの現場では フラワービジネスコンサルティング

花の生産の現場で今何が問題で、花の生産者が何を考えているか一応の知識は有るつもりです。そういう観点から私がここで発言することで、益々厳しさを増す今の日本の「花産業」が少しでも明るい方向へ向かう一助となればと思っています。                           

第2回 「何を、どう作るか」 2003/3/4


  このところ花き農家がなかなか儲かりにくくなってきています。そういう中で、何か儲かる品目はないかという質問が農家から私たちへ度々きます。私たちも実のところ分かりません。


 市場のデータを探したり市場の担当者や花屋さんの話を聞いたりして情報の収集をやりますが、なかなか「うまい話」は有りません。

 花の栽培でハウスを使う場合と、何も施設を使わず畑にそのまま植える場合(露地栽培といいます)と大きく分けて2とおり有ります。露地栽培の方が当然コストはかかりません。しかし栽培する時期(我が国ではほとんどの種類が沖縄を除き冬場は作れない)や花の種類が限られるし、何よりも品質などが天候に大きく影響を受けます。


 ハウスでの栽培は逆に季節や天候に関わりなく栽培できますし、品質的にも高いものを作ることが可能です。しかし当然コストが高くなります。コストが高いということは花の値段が高いときはあまり負担になりませんが、こう安くなってくると果たしてハウスを使って花を作っても収支がとれるのか分かりません。


 花の栽培で、種を播いたり苗を植えたりしてから収穫し、市場で販売してお金になるまでに普通4ヶ月〜5ヶ月(もっと短いものもあります−ヒマワリなどは2ヶ月くらいで咲くし、長いものは1年以上かかるものもあります)くらいかかります。


 その前に作る品種を決めたり種や苗を入手したり、ハウスの建設をしたりする期間も考えなくてはいけません。要するに1年近く前に色んな決断をしなくてはならないわけですが、作っても必ず儲かるという保証は何もないわけです。


 ここが花農家の一番辛いところなんです(勿論これは花に限ったことではなく野菜や米など他の農産物も一緒ですが・・・)

 また、同じ花を作っても農家によって品質による価格の差が出るのは勿論ですし、出荷する時期や出荷先で価格の違いが出ることも往々にしてあります。農家としては如何に高く売るかに我が家の経営がかかっているわけで、何を作るか、どの様にして売るかに頭を悩ませるのです。

 往々にして「人の裏をかく」ことで高値を得ることもあります。つまり人の作らない種類を作る、あるいは人の出さない時期に自分だけ出荷することが出来れば、これはもう売り手市場で価格はどんどん上がります。昔菊の産地では隣の農家はおろか、親戚にすら親株を分けることをしなかった、という話があります。つまり親株を分けるというのは競争相手を増やすことになるのです。


 これは一つの産地防衛でもあるわけで責めることは出来ないでしょう。ただ現在この問題は、個人の農家レベルではなくて産地対産地、あるいはもっと大きく国対国のレベルでの争いになっています。

 またもう一つ問題なのは、その様にして色んな決断をして栽培を始めるのですが、なかなか当初計画したようには事が進まないのが実態です。何といっても一番気になるのが天候です。一応平年の天候を期待して生産に臨むのですが暑かったり寒かったり雨が多かったり逆に晴れ間ばかりだったり、毎年毎年違います。特に近年は地球温暖化現象からか、異状気象が頻発しています。これへの対応が本当に大変です。


 何といっても天候で一番恐いのは台風です(少なくとも私の地域では)。平成3年や11年の台風は本当に恐怖の一言でした。風速50m以上の台風がこんなに頻繁に来るなら、とてもハウス栽培は出来なくなります。勿論お金をかければ風速100mでも耐えうるハウスが出来ないことはないでしょうが、どえらい金額になると思います。それでは収支がとれません。


 また花の栽培では害虫や病気が出ます。薬剤を散布したり虫が来ないように網を張ったりしますが、害を受ければ品質が落ちたり最悪の場合は収穫皆無ということもあります。おまけに最近野菜の無登録農薬問題で、(食物ではない)花にまでそのとばっちりが来ており、消費者の農薬に対する過剰ともいえる反応には生産する側としても頭が痛い問題です。


 事ほどさように花を作って経営を維持していく、すなわち花を作って儲かるためには非常な苦労が伴うものなんです。 今本当に色々頭を悩ましているところです。




第1回 「これまでの花き生産の動向」
第3回 「何を作るか   その2」
第4回 「さあどうすれば儲かるか      その3」


プロフィール
 増田和典
 昭和50年代よりJA関係で花の栽培から流通に関わる仕事に従事
 本音の部分での情報交換が大事だと思います。 メールはこちらQYL03624@nifty.com
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