花大好きどっとこむ花レポーター募集 第五弾

今、花作りの現場では フラワービジネスコンサルティング

花の生産の現場で今何が問題で、花の生産者が何を考えているか一応の知識は有るつもりです。そういう観点から私がここで発言することで、益々厳しさを増す今の日本の「花産業」が少しでも明るい方向へ向かう一助となればと思っています。                           

第 4 回 「さあどうすれば儲かるか      その3」 2003/5/10





花の生産者は儲かるためにどういう努力をしているのでしょうか。今回はこ  の辺りを考えてみます。

1 人が作らないものを作る。
前回に書きましたように珍しい花にはお客が集まります。しかも作って花を出すのはその市場で自分一人という状態であれば、もうそれだけで「左うちわ」と言ってよいでしょう。他の誰も作っていない珍しい花はないかと、種苗会社のカタログをめくったりして調べるのです。種苗会社のセールスや花市場の担当の人に何か珍しい種類はないか色々聞いて調べたりもします。

そしてそういうのが見つかったら誰にも言わず独り占めにして自分だけが作るのです。ただ問題はそういう品目がなかなか見つからない、また有ったとしても作り方がよく分からない、従って品質の良いものが作れない。また、何よりも今の景気低迷の中での花の売れ行き不振下では、そういう「おいしい」商品がなかなか出現しないのが現実です。以前は珍しいと いうだけで売れたのですが・・・


2 人が出さない時期に出荷する。
1と同じく上手くいけば「一人勝ち」を実現出来る可能性があります。 1と違うのは作る腕=技術が要るという事です。同じ品目でも、人が作り難い時期に自分だけ出荷する事が出来れば儲かる可能性が出てきます。逆に言えば、人が作れない時期に良い品質のものを作れる腕を持っていることが儲けにつながるといえます。


3 量(ロット)をまとめる。
一般的に量を持つ事によって市場での発言権=力は強くなりひいては価格につながります。JA組織を通じて販売する事は、その主な目的が量をまとめることだといえます。ただ、JA組織で量はまとめる事は出来ても、その内部で品質など色んな個人格差があることが今は問題となっています。いわゆるピンからキリまでというやつです。生産者数が多くなればなるほどその傾向が強くなります。


従って量がある事だけでは力にはなり難く、「質と量」を兼ね備えることが求められています。JA組織の運営で何が問題かというと、役員を中心に色んな事を決めて皆さんに協力を依頼するのですが、組織が大きくなればなるほどその浸透度合いが悪くなります。

それに対して今私たちが感じるのは、市場で一つの市民権を得る為には量はそこそこでも、メンバーの品質が一定レベル以上に揃っていることがより高い評価を獲得出来ているということです。特に近年「多様化の時代」の中ではそのことの重要性が増してきているように感じます。品質だけでなく産地の向かう方向性、今はやりの言い方をするとコンセプトがぴしっと決まっていてしかも構成メンバー全員が同じ意識レベルにある、そういう組織を作ることが出来れば市場での評価は高いものになると思います。

ただ現実には十人十色ではありませんが、構成メンバーの意識を一つにまとめるのは可成り難しい問題であるようです。


4 共選共販か一匹狼か
今の日本の花市場では共選共販による販売が一般化しています。そして共選共販の95%以上がJA組織によるものだといって良いと思います。何といっても市場での評価を高め販売を有利に導くためには、JA組織による共選共販が一番の近道であることは間違いないでしょう。ところが共選共販の弊害も言われています。一番の問題は品質が最大公約数になってしまうことでしょうか。


3でも触れたように、其処に生産者が10人おれば品質一つとってみても10人の間に高低差があるのが普通です。一応出荷規格というものがありそのクラス分けに従って分類するのですが、そのクラス分けにどうしても一定の幅が出ます。例えばここに100点満点のものから50点のものまであるとします(50点以下は市場に出しても極端に評価が低いとする と)。それを3段階程度に分類して出荷するとすると例えば

    Aクラス  100点〜90点
    Bクラス  90点〜70点
    Cクラス  70点〜50点
のようになります。ここで問題が二つあります。

一つは区切り目を何処にするか、90点を境にして上はAクラス、下はBクラスになる訳ですが区切りを何を基準にするのか。例えば重さだとか長さだとかそういう数値=客観的な基準があればよいのですが、花は見た感じ(色・形・姿etc)で分ける場合が多く、誰がどういう基準で規格付けをするかでもめ事になることが多々あります。こういう問題で組織がゴタゴタして脱退者が出るということも私の周囲で起きています。

「彼の品物と自分の品物とを同じ規格で出荷して貰いたくない。」ということです。

もう一つの問題はAクラスでも100点のものから90点のものまであるわけで、市場でセルときは100点と90点と平均したところで価格がつく(例えば95点くらい)。そうすると100点の花を出荷した人は損をした感じを持つ、90点を出荷した人は自分の品質以上に評価されたことになる訳でこれまた余りよいことではないでしょう。

いずれにしても共選共販での花の出荷では色々問題があるといえます。反面そういう組織販売では個人の特性、持ち味が評価されにくいということで、個人で市場に出荷する人も可成りいます。私の周囲でも他の人より高い品質の花を生産し出荷する人に、そういう傾向が強いようです。こういう個人出荷、いわば一匹狼的販売もやり方によっては面白いかもしれません。


何と言っても自分だけが頼りです。自分の出荷したものがそのままうそ隠し無く評価されるのです。ごまかしも何もありません。現に東京都の大きな中央市場でも、飛び抜けて高い品質の花を出す生産者が普通の価格(所謂共選共販の花)より可成り高い価格で売られているようです。

だからそういう飛び抜けて品質の高い花を出す腕=技術を持った生産者は生き残るのでしょう。残念ながら、そういう人はそこに100人の生産者がいるとすると1人いるかいないかではないでしょうか。他の99人は共選共販でしか生き残れない。極論すればそういうことだと思います。 





第1回 「これまでの花き生産の動向」
第2回 「何を、どう作るか」
第3回 「何を作るか   その2」


プロフィール
 増田和典
 昭和50年代よりJA関係で花の栽培から流通に関わる仕事に従事
 本音の部分での情報交換が大事だと思います。 メールはこちらQYL03624@nifty.com
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