本格的な夏がやってくる。
花屋にとっては蒸れ蒸れムンムンの梅雨がやって来た。そして次に厳しい夏がやってくる。
桶の中の水温は上がり、水は濁り、花の足元がぬるぬるして腐る。
花にとって最悪のバクテリアが発生する時期である。
だからこの時期、日に何度も水の交換をする花屋が出てくる。
その作業を軽くする什器が冷蔵庫(ストッカー・キーパー)である。
昔は今ほど花の種類もなく、露地栽培の夏菊が主流であり売るものが少なく
商売に困った花屋は、金魚や麦藁帽子、風鈴、鈴虫、亀、といった花とは全く
異なった季節の風物詩的商材で夏を乗り切ったと聞いている。
しかし、昨今の花卉流通は季節で花が極端に少なくなるという印象は薄い。
統計的に見れば確実に他の季節に比べて夏は少ないのだが、感覚的には数値ほど売るものには困るふうでもない。まあ、あれが欲しいこれが使いたいと贅沢に花材を追求すれば限が無いのだが、昔とは比べものにならないくらい昨今の夏には花材がある。
さほど困らないという現象の裏には消費が落ちるということも要因としてある。夏は花より海水浴やサマーバカンスに消費が向かうのは仕方が無いことだ。花屋さんも裏を返せば一般市民で、やはり夏は遊びたいと思う。
ピーカンの強い日差しの中、花売り娘は重労働である。かき氷や金魚を売りたくなる気持ちはとってもわかるし、それで夏を乗り切れるのなら著者もそうしたいと常々思っている。
だってかき氷に金魚、風鈴、風情があっていいじゃないですか……・(笑)でも、商売を考えると、ちと考えさせられる訳ですね。まあ、花の自家消費が極端に落ちるこの時期はお盆とギフト対応さえ怠らなければと思うだけである。自然には逆らえない。普段の売上の方は諦めるしかないのが本音である。
◆ フラワーキーパー
フラワーキーパー、フラワーショーケース、ストッカー、冷蔵庫と色々な呼び方で花屋の中では知られる花を低温保管する大型什器であるが、この冷蔵庫が花屋にとって必要なものかという議論がある。
まあ、この不景気で出来るだけ低資本でショップ運営を目指すものにとっては最大の支出である冷蔵庫はコストという観点から考えれば検討すべき課題の一つだ。また、お客様にとってこの低温保管が利益に繋がっているかという事も並行して考え場合の意見は二分してくる。
もちろん花は農場から採花して常温で寿命を向かえるまで自然な開花を楽しむということからすればある意味考える必要がありそうだ。
水温を上げないでバクテリア発生を防ぎ、劣化させないという保存と咲かせないというを目的で使う道具と考えれば、これが無くては商売なんか出来ないと言い切る花商も多く居る事も事実だ。
また、一方では冷蔵庫など花の自然開花を抑制するだけで必要無い、花は常温で売るのが一番だ、と唱える花商もいます。はっきり云ってどちらが正しいなんて結論づけ出来る問題では無いと私は思っています。定義や論点がずれると頓珍漢な結論に落ち着くからです。
つまりものの考え方次第ではどちらも現段階では正論らしきものを唱えているように見えます。そんな状況で方や自然派、方や商業的論者のどちらを取るかはあなた次第と言う所でしょうか?
まず、無キーパー(冷蔵庫)派の意見をまとめますとこうなります。
1. 花の鮮度を考えると自然開花が優先させるべきものだ。なぜならば咲いているものは古い、咲いていないものは新しいとする判断材料しかお客様には無いからだ。だから顧客本位である。
2.機械的で自然を扱う商品イメージを落とす。
3.電気代や維持管理費などの経費が係る。
4.鮮度に対して気薄になり商品管理が疎かになる。
5.これは少数でしょうけど?エコ対策。
次に肯定派の言い分は
1 夏はどうするんだ?(解りやすいね〜)
2 冬はどうすんだ〜?(これ皆さん気がつかないでしょう?)
寒すぎても花が痛むんです。花も風邪を引いちゃうんです。冬はキーパーで温度を上げることもやります。常温が5度程度の場合にはキーパー内の温度を10度ぐらいに設定して開花を待ちます。
3 商品管理が出来る。(販売期間が延びる)販売チャンスが増すということ。
■ 編集後記
ちょっと余談ですが、フラワーキーパーは冷機より湿度が大切ということ知っていましたか?家庭での冷蔵庫に一次保管を考えているネットショップのオーナーさん。加湿器が必要です。でないと葉っぱがパサパサになっちゃうよ。
■花屋の本音トーク
お叱りを覚悟で云いますとね、誰しもね商売を基本に考えればキーパーは必要なんです。販売数量と同じ数の仕入れが毎日出来れば、本当の所は必要ないでしょうね。
しかし、、現在の仕入れ環境ではそれはありえません。ある程度のリスクも背負って仕入れしなくては満足できる、またお客様を満足させられるだけのアイテム数は揃いません。これ花屋の本音。
その証拠に自然をイメージした店にあの無機質なステンレスの光沢は似合わないにもかかわらず導入している店を見るとその無機質を隠すために木目調にしたり色をつけたりしてるじゃないですか。
それから口角泡を飛ばして冷蔵庫無用論を説いている花屋ほど店の面積が狭いですよ。設置するだけの面積が確保できないから、宣伝文句として大いに使っている節がぼんやりと見えてくる。
ああ、勘違いしないでね私は肯定派ではないですよ、時代の一過性として、今は総合的に見れば必要ではないかと言っているんです。
本音は常温で花を提供できることがお客さんにとっては一番良い。しかし、それをさせない理由が存在している限り冷蔵庫はなくならない。流通や花屋の商売、ひいてはいつでも来店すれば欲しいものが手に入るという環境を求めるお客にとっても避けがたいのが現実である。
ということで結論は必然ということである。
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