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Vol 244  2007/12/18 配信済

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■市場取引のコンプライアンス(ほんの一部)
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現物取引という原則が花市場にはある。
セリという伝統的なベーシックな競売取引だ。
(競売方法にはセリ上がりとセリ下がりがある。)

ところが、ある時、買い手の要望と売り手の思惑が一致する時が来る。ここでいう
買い手とは主に仲卸であるが、セリ取引の時間前に早く荷物が欲しいという要望
だ。つまり、セリで買っていたのでは仲卸の商いの性質上、時間がもったいないと
いう理由だ。

また、市場側としても増大する入荷量を効率よく捌くには、限りある市場敷地問題
や販売労働力の効率を思えばメリットは大いにある。そして荷受市場としての最大
のメリットは相場の高値安定である。言い換えれば荷受市場の集荷力の強化にも
つながるのである。

つまり先取りというセリ前「引き荷」取引の発達だ。

しかし、この取引も障害が多く存在した。
一つは引き荷の価格の決め方である。セリにかかる前の商品であるから、
もちろん価格は存在しない。では、どのようにして価格は決められたかセリ値
に準じて決められた。例えば、同一産地の同一等級が100ケース入荷した場合、
数ケースの引き荷ならば、残量の荷物はセリに上場され、需給バランスは然程
崩れず当日の相場で適正に取引されるから、価格の変動は常識範囲の中で
収まるわけで問題は無いのだが、引き荷量が多ければセリに上場される残量
は必然少なくなる訳だからセリ値は需給バランスの崩れで高騰する場合がある。

これが人気品や物日品になると異常な高騰を引き起こすことになり、市場と
生産者にとっては高値で喜ばしいが、その荷を引いた者にとっては利益がふっ
飛ぶ場合もあり価格リスクを持った性質の取引だった。

そこで、このリスクを如何に回避するかを引く側は考える。方法論はこうだ。
全量引いてセリには上場させないとする。つまり買占めである。
これを仲卸業者間でカルテルを結ぶわけである。これはれっきとした違法行為
である。

するとどうなるか、今までセリへ上場されていた商品がセリに出てこない日が
続く、しかし、仲卸へ行けば目的の商品はあるという現象が起こる。こういった
場合の先取り荷の価格は前日値に準じるであるから、全量を先取りしている
期間は当然価格の変化はない。これで安定供給、安定価格で仲卸は商いが
出来るわけである。

しかし、黙っていられないのはセリ買いに、そのほとんどを依存していた一般
買参人(花屋)である。欲しい花が無い待ち人来たらず状態であるから、あの
商品は何故セリに上場しないのかと荷受市場へ詰め寄る。当然である。

上場前取引は闇に隠れた部分が多く一般買参人には見え難い取引である。
しかし、荷受市場としても本音は利益追求や集荷力強化の一環で高値相場は
維持したい思惑が働くから、のらりくらりと色々と理由を見つけて一般買参人
からの批判をかわす。

そうしている内に、旬を過ぎた商品は利益を生まないからセリに出てくるよう
になる。旬を過ぎた商品は二等・三等の価値しかないわけだから、先取りをする
業者は次の旬へと狙いを定めて引き荷先へ移行する。こういうイタチごっこで
一年の取引は繰り返されてきた。


先取りの秘策 その一

当時の共選共販品は個人農家が出荷コスト対策での組合色が強く、品質の
選別に難があった。共選共販とする以上はブランド力の勝負でもあるから同一
の箱を使用し出荷する。しかし、中身は品質選別が曖昧で、同じ等級表示で
あるにもかかわらず明らかに品質のばらつきが存在していた。

そこに目をつけた先取り業者は、良質のものだけを先取りして品質の落ちる
ものはセリに上場させることで、表面上の価格を抑えたのである。
しかし先取りした商品はセリ価格よりも価値高いものであるから当然利幅を
稼げるわけである。

常識的な考えを持つ読者の皆様は、なぜこんなデタラメな取引が成立するの
だろうと疑問を持つことだろうと思います。しかし、実際は事が起きて考えると
いう問題先送りの体質はかわりません。

事実として百戦錬磨の業者はサラリーマン化した荷受会社の社員よりも一枚
も二枚も上だということなのです。

こうして問題が表面化して規制がかかるまで、この取引は続けられた。その間、
誰が得をして誰が損をしたかは明らかですね。

現在は市場取引の現場も進化していますから、誰もが納得する正当で常識的
な取引が成立していると信じていますが、そこは欲深い人間のすることですから
、新たな秘策が生まれ存在するのも世の常ですから・・・・・。

ここまではアナログ的な花市場取引の世界ですが、時を経て今は情報化社会、
インターネットを介してのデジタル取引が盛んになっています。市場取引のコンプ
ライアンスからみれば、まだまだ不透明でグレーな部分を多く残しています。


2009年4月、卸売市場の販売手数料が自由化されます。



今回はこれで終わりです。
では、また次回をお楽しみに。

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■  編集後記
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毎年、財団法人日本漢字能力検定協会が発表する今年の漢字は「偽」です。 
真実はもっと醜いものかもしれませんが、世間に曝された偽にまつわる話題に
事欠かない年となりました。

そこで、私たちの属する花業界に偽は?という今回のメルマガの題材でした。
これは一部の事例ですが、それぞれ皆さんが日ごろ取引を行なっている
花市場の取引状況は如何なものでしょうか・・・・?


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■  無手勝流師範(勝手気まま!)
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・ 私はネット通販を良く利用する。特に書籍はアマゾンが圧倒的に多い。
その本を宅配してくれる人がお年寄りなのはが目立ってきた。
明らかに定年を過ぎた年配の方々だ。

・ 東京名物の一つではあるまいかと思わせる交通渋滞。
その主な原因は様々なインフラ整備工事。そこで働く人々や交通整理員も
明らかに定年を過ぎた年配の方々が目立つ。

・ 私は仕事で良く利用するファミレスのウエイトレスに高齢者が目立つ。
サービスを受ける側とすれば、どちらかといえば若い女性よりも
気配りが効いて好感は持てる。

こうして以前は若者の職場であった領域に熟年層が進出し始めた。
これも、歪な人口ピラミッドが示すように日本の高齢化社会の姿であるの
だが、人件費を抑え、安定した労働力を求める企業との利害関係が一致
すれば、多くのサービス産業の雇用に熟年層が食い込んでくることは間違
いないだろう。

いつの時代もそうだと思うが、若者労働層よりも熟年労働層の方が働き
ぶりに浮ついたところがない。雇用する側は、その職場に高齢者も勤まる
適正があれば人件費抑制効果が働き有利にちがいない。

また、見方を変えれば違った側面も見えてくる。戦後の混乱期から額に
汗して働いてきた人々の老後安定という姿はもはや消え、定年退職後の人生を
スローライフ調で優雅に暮らせるのは一部のプライム層でしかないようだ。
多くの人々が定年を迎え、職を失うこと、すなわち収入を失う事とこの国では
同意語であるようだ。

これから益々日本の職場は、終身雇用制からインセンティブの効いた職業
形態に変化するような方向にある。インセンティブといえば聞こえはいいが、
能力の無い者は去るということと同じであることを自覚する必要がある。
つまり一部の勝者と多くの敗者が存在する社会になるということだ。

いつの世も若者の特権として将来の夢を語り、望むような職を求める傾向
は大いに結構だが、気がついたら夢破れ妥協して選択する第二の職業も
熟年層に奪われることもあるのではないだろうか?

高所からモノを見るような政府系シンクタンクの公表するデータを眺めても
真実は見えてこない。また、日本から見た外国はアメリカしかないような
捉え方のマスメディアの報道も歪に見えてくる。そして証券エコノミストの
語る経済予想もこれほどあてにならないものは無い。

どうもこの国はドル円レートという指数を基本に世界の経済との関連性を
アメリカ中心に見ているマーケット情報にも問題がある。ドル円とユーロ円、
またドルユーロと三角関係に見てみると、又違った円の価値も見えてくる。

つまり、円はドルに対しては高いが、ユーロに対しては安いという見方も
出来る。ドルは売られ、ユーロは買われるという世界の基本通貨の変動が
起きている。また、債務国でもあり消費国アメリカの景気は生産国中国の
異常に安い中国元と安い労働力に支えられた一面もあります。

サブプライム問題でアメリカが不況になれば対米輸出の多い中国も打撃を
受けるというのが一般的な考え方のようですが、逆に不況になればなるほど
アメリカは安い労働力や安い商品を必要としますから、中国からの輸入は
足踏みをすることはないと思うのは私だけでしょうか?

立場違えば、見え方も捉え方も違ってくる。
一方通行の見方は危険であることに違いない。


花大好きどっとこむ 運営責任者 Shunichi Higuchi




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