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■取引相手の選別
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読者の皆様、明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いします。
今年最初のメルマガは前々回244号「市場取引のコンプライアンス(ほんの一部)」
の続編です。
出荷する生産者が個人もしくは個人の域を出していない組合ならば、荷受会社
の集荷担当者は生産者との人情的な付き合いで荷を確保することも可能である
が、出荷団体が大きくなれば成るほど情緒的な取引は影を潜め、価格維持と販
売実績という力量で出荷数の確保に努めなければならなくなる。
まさに市場原理が強く働く構図である。そのために荷受会社にとっては利益の
原資でもある荷物を如何に多くの産地より集めるかが、最大の関心ごとで、荷受
会社の存亡に関わる問題であるから必死にならざるをえないわけである。
生産地としては、荷物の輸送コストは販管費に占める割合は大きい。高値と
いう相場を求めるリスクヘッジの意味で分散出荷の比率が高くなればなるほど
輸送コストは高くつく、その為にどうしても相場はほどほどでも、相当数の荷物
を上場させた場合でも安定した損益分岐点維持の相場が期待できる大型市場
への出荷傾向にならざるをえない。
また約束通りに市場側よりの決済が履行されるかという部分も大きなファクター
だ。いくら希望する相場を維持されても約束通り支払いが履行でされなければ、
すべての努力は出荷側としての意味をなさない。
また、これは市場と生産者の関係だけではない。買参人が支払いを延ばすと
当然流れる筈のお金が流れなくなる。すると一時的ではあっても、荷受市場は
ある部分から借り入れを起こさなければならなくなる。つまり有利子負債を荷受
市場は抱えることになるのである。
それでなくても上限を決められた手数料の中から市場を維持するための経費を
使い、市場を運営するものにとっては相当な痛手であることに変わりは無い。
これらをヘッジするための策を色々と施したくても多くの場面で市場法という網を
掛けられた市場運営者は裁量で自由な企業活動が出来ない歯がゆさは理解
できる。
そのせいか、一部監督官庁の指導もあるのだろうが、一つの方法論として荷受
市場は買参人への決済は厳しさを増すと耳にする。
過去において様々な市場法改正が行なわれてきたが、全ては業者裁量を剥ぎ
取った規制の中の法改正であった。しかし2009年に卸売市場の手数料の自由化
がはじまることで、いよいよ本格的な規制緩和が卸売市場でもスタートするわけだ。
これは当事者の市場関係者にとって裁量という多機能を持った術を得たことに
なるが、一方で厳しい市場間競争に直面することになることを意味する。他業界
の様子を対岸の火事の如く見て規制緩和で淘汰された企業がどのような状況に
陥ったか、その轍を踏まないためにも研究と分析が必要なのではないだろうか。
前回のメルマガで過去のアナログ的市場取引にある一部の実態を書いた。
今だ、裁定取引の域を脱しきれていない旧式な市場取引現場であるが、時代
は不安定な取引のセリ売りから先取りへ、そして相対取引の時代へ入る。
更に進化していく過程で、時間と距離の概念を根本から覆すインターネットと
いう怪物に遭遇して情報取引となったわけである。
ご存知の通りインターネットを介したデジタル取引をどこの花市場も取り入れる
ようになっている。しかし、このインターネット取引も実態コンテンツや市場法の
解釈から大きく離脱した取引もあるように思える。
(まあ、現行の市場法も現在のグローバルで最新流通という視点でみると
時代錯誤も甚だしい感は否めないわけだが。)
旧式ではあるが現行市場法から見ると、ご存知のように、お花屋さんは当該
市場と取引契約を結んでいるはずだ。そう買参権というものだ。
つまり、この買参権なきものは市場のセリにも参加できないし別な取引もでき
ないというものだ。これは市場法の観点から地域に開かれた市場と地域の業者
を保護する目的であるためだ。
ということで、この買参権という概念がある以上は非買参人へ花を売ることは
許されない。しかし、インターネットでは無崩しの感がある。本来、買参権のない
ものは市場に上場される花は場内仲卸もしくは場外の問屋の手を介して買うし
か手立てはない。ところが、インターネットを介してしまうと紛れも無く、卸売市場
に上場された荷物を直接買えてしまうのである。
そのリクツはこうだ。まず、仲卸が開いたサイトへそれなりの登録をして入る。
そして仲卸の販売コンテンツを見ながら欲しい品を入力注文する。これで終わり。
後は荷が届くのを待つという仕組みだ。これら一連の流れは他のインターネット
通販と何ら仕組みは変わらない。実に便利で簡単である。
ところが、ここへ、あのややこしい市場法を絡めると俄然話がややこしくなる。
思い出して欲しい。
*(買参権のないものは市場から花を買うことは出来ない。)
表向きは仲卸サイトから入っているから仲卸から買っているように見えても、
実態はハイパーリンクで卸売市場会社のサーバーへ入っているのである。
つまり仲卸のサイトはポータルとしての機能しかもって居ない。
なぜ、このようになるかは、仲卸のネット販売の実情やサーバーの運営管理、
そしてシステム構築など極めて複雑なノウハウと高コストの問題がある。
必然、多少の運用手数料を払っても他のシステムへ相乗りした方がコストと
手間を考えれば得策であるといえる。上場する膨大な花のマスター情報は
市場しか持っていない。つまり現状の力関係で仲卸各社は全てを川上の存在
である荷受市場に依存するしかないのもその理由ではないだろうか。
しかし、同じ市場で同等の権利を有する他の受権者(正規の買参人)には荷
受市場の都合など関係はない。あくまでも現行の市場法に則って市場を運営
しろと噛み付く、ところが、このインターネット取引は新しい時代の産物なので
古い概念の市場法には具体的に書かれていない。
そこにあるものは紳士協定のような感情論へ訴えるしかない。
何事もそうであるが、時代は益々スピードを増して新たなテクノロジーの開発
にしのぎを削っている。花市場の取引も例外なく、その変化に曝されているわ
けで経済のグローバル化は常識だ。普遍の定義でもある需給バランスで成り
立つ商取引であるはずが、しかし、実態は監督行政の経済オンチのなせる技
で、紙に書かれた一昔の法令を後生大事して、いつの時代も民間はそのタイム
ラグに泣かされる。そして時代の変化を好まない一部の既得権益者の反撃も
ある。
先に書いたように2009年卸売市場の手数料自由化で、やっと、ここで花業界も
他の業界と同じ状況に立ったと見える。結果、新たなビジネスチャンスの機会も
増えるが、厳しさは今以上に相応して襲ってくると考えた方が理解できる。
また、裁量という術を手にした荷受市場は取引相手の選別を今以上に出来るよう
になることも視野に入れなければならないということだ。
ところで将来の花業界を思えば花屋は花屋、市場は市場、生産者は生産者と
いう我関せずの考えは業界全般にとって危険な方向だ。なぜならば経済活動は
全てに繋がっているからである。ましてやグローバル経済を思えば、雑多で単純
な比較になるが、新興国インドと中国の両国で人口は23億人。
なんと日本の約18倍。
これら新興国の現状は一部の富裕層を生み出している過程であり、近い将来
中間層の所得を押し上げ、新たな消費拡大が確率的に高く期待できる。
成長の止まった日本と世界のマネーが集まり、全てにおいて将来整備が必要
かつ潜在的消費人口増加という背景を思えば、これから益々、国民に富が分配
される方向に向かうのは明らかで、これら新興国はGDPを着実に上げてくるだ
ろう。
この事実を真摯に受け止めるかで将来の日本のフラワービジネスを決定つけ
る方向にある。恐らく新興国の躍動を実際に自分の目で見て身体で感じたな
らば、現状の日本のフラワービジネスを憂いすることに時間はかからない。
そこで積極的に世界へ目を向けた展開するには資金が必要な条件である。
また、優秀な人材の流出も始まるのではないだろうか。私の知っているところ
で身近で株式市場に上場を果たしている花関係の会社は2社(非公開市場1社)
しかない。(卸売市場1社・冠婚葬祭業1社バイオ関連や種苗会社は除く)
この数を見ても、花業界はまだまだ進化するはずだ。
現実問題として、住み慣れた自国の都市で産業を伸ばしたいとする思いは当然
理解できるが、消費人口の減少と高齢化で希望するような伸びが期待できない
将来の日本の内需を予測した数字を突きつけられれば、選択肢は多くないことは
判る。
日本の生産者の技術と勤労態度は世界トップクラス。この技術で海外のプライ
ム層に向けて売り出すことも視野に入れることもできる。また、販売ノウハウを
持った小売企業も海外出店や販売ノウハウを売るサポート事業も可能だ。
今の花業界に必要なのは新たなマーケットを国内に限定してしまう思考を打ち
破る勇気だと思う。膨大な販売管理費や研究にコストをかけても国内販売が
三十年前の実績に落とされた自動車業界をみれば内需へ100%依存した
産業の行く末は見えてくるのではないだろうか。
明らかに日本の消費は下降線上にあるという事実です。
それから、ちょっと、突飛でしょうか?
日本のトップシェアーを持つ卸売市場会社が外資によってM&Aの標的になる
というニュースが発信されても不思議ではない。花の業種が何であれ、経営
規模の大小を問わず、経済の向く方向という流れに乗らなければ勝ち目は
ないのである。
例え、現状で地域に競合する相手が無くて利益を独り占め出来ている小売業
にしても、対岸の火事の如く見方で自分の置かれた立場を棚に上げている
場合ではないと思うのだが。
今回はこれで終わりです。
では、また次回をお楽しみに。
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■ 編集後記
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経済はお金に支えられて生きています。
そのお金が流れる先に利益の源泉が必ずあります。
お金があるから経済が起こるのではなく利益の源泉が湧くところにお金が
集まるのです。
この流れを見極めることで、好きな花を集めて希望するような会社経営や
店作りも可能です。そして、最大の収穫はお客様へ今以上のサービスを提供
できるようになります。
今日の相場は安かった、高かった、うまく儲かった、儲からなかった、という
近視眼的でその日暮らしのような思考回路は捨ててマクロを見てください。
そうすると必ず解決策が見つかります。
また、新たなアイデアも沸いてきます。
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■ 無手勝流師範(勝手気まま!)
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アメリカ発信のサブプライムローン問題は経済新聞に問わず、一般紙まで様々
なマスメディアで報道していますから、相当の経済オンチでもご存知だと思います。
しかし、この問題で起きている現象や仕組みなどの解説から私の見る限り、
問題の本質を解説している報道は皆無ではないかと思うのです。
簡単に説明するとアメリカの住宅ローンのひとつで、従来、借金で住宅を買うこと
の出来なかった信用度の低い消費者でも頭金無しのローンを組めるようにしたの
がサブプライムローンと呼ぶものです。だから名称の頭にサブがついているので
すね。
そして、このローンの特徴は返済から数年後より一気に返済ローンの金利が跳ね
上がるという高リスク商品なのです。(4%から17%へ)
ここで疑問です。なぜ、こんなにも危険で高金利のローンを消費者は契約したの
でしょうか?また、なぜ、住宅販売会社は返済不履行の可能性が高い商品を売
ったのでしょうか?
消費者から見れば、それは簡単に夢が叶う。自分の家が持てるというアメリカン
ドリームです。しかし、一方で高金利のローン返済が近い将来襲ってくるという
リスクも感じていました。そのリスクをヘッジしていたのが、買えば上がるという
不動産相場の高騰です。
働いても、働いても一向に裕福になれない。ましてや家一軒も持てないアメリカ
の低所得層には、このローンは救いの神のような商品でした。まさに、90年代
日本で起こった不動産バブルにある部分似ています。
つまり返済が数年後に多くなるという商品であっても、買った物件の相場が上が
れば、転売差益もしくはローンの組み換えで、金利分を相殺できるという思惑で
多くの消費者が家を買いました。実際に90年後半から〜2005年ごろまでは、
アメリカの不動産市場は、この成長のサイクルは機能していました。
消費者が住宅を買う場合、最初に契約するのは住宅販売会社です。住宅を
売った住宅販売会社はその代金はローンですから現金は入りません。だから、
この代金を現金化するために、この契約を債権として他者へ売ります。それに
よって住宅販売会社は現金を手にするのです。では、この債権は誰が買うの
かということですが、それは証券会社だったのです。
販売代金の回収という大きなリスクを証券会社が担保してくれるというお墨付き
を貰えば、住宅販売会社の戦略は決定します。そうです。相手が誰であろうと
売ってしまえという乱暴な販売合戦です。どう見てもローン審査に合格しないだろ
うというお客情報や契約書の改ざんで契約をまとめるようになりました。
次に、この住宅ローンの債権を買った証券会社は他の債権(例えば、車ローン
や一般住宅ローンなど、)と複数組み合わせ証券化するのです。
この証券がCDO(債務担保証券)という金融商品なのです。
そして次に、このCDOを世界の機関投資家や銀行、そして他の証券会社に
売ったのです。更に、このCDOという金融商品を組み合わせた新たな証券を
構成して次から次へと転売されていくというマネーゲームを世界の金融業界で
行なった結果、ヨーロッパの証券会社で換金不履行という金融事故を起こし、
これに端を発してアメリカのサブプライムローンという商品自体に欠陥があると
いう不安が発生し、サブプライムローンの組み込まれた証券は危ないという状況
に陥り、サブプライムローン債権に足を引っ張られるように他の信用ある債権も
危険だという風潮になり証券の信用性も疑われ流動性は失われ、買ってくれる
人が居ないのですから持っているだけで損失を積み上げていくという負の連鎖
を起こしました。
CDO(債務担保証券)に組み込まれたサブプライムローンの比率はたったの
2%程度なのですが、世界の金融業界がヒステリックになってしまいました。
その損失額10兆円とも言われていますが、実態は誰にもわかりません。
なぜならば、組み込まれた証券は多岐に渡り世界中に売りまかれていて、
その総額すら判らないからです。
これから先は読めないということで不安は広がり、売りが売りを呼び、証券の
価値を更に下げ、アメリカ経済に深刻な影響を与え、連動するように世界的な
不況を呼ぶという予測を行なっているようです。
以上が報道にあるサブプライムローンの解説です。
では、この証券化の核心はなんでしょうか?
私の一番の疑問は何故、証券会社は、このようなCDO(債務担保証券)という
商品を作ったのかという部分です。もちろん、証券会社も、これに関わる他の金融
業者も利益獲得という目的の部分だけで相乗りしたのは大きいでしょうし、何事も
利益を目論むビジネスの世界ですので、利益獲得のために手段を選ばず商品を
開発し生み出したと見ることも出来ます。
しかし一般的に新商品を開発する場合には、必ず誰に売るかかという明確な
ターゲット設定はあったはずと思うのが普通ではないでしょうか。そういった
意味から証券会社のターゲットは誰だったのか?慈善事業ではないのですから
お金を持っていない層へ向けた商品を開発しても意味の無いことです。
つまり、狙った金鉱(ターゲット)は既に存在していて、その金鉱から富を獲得
するために、証券界は金融工学を駆使して債権の証券化という手法を考え出した
という構図です。その原資の求める方法の入り口としてサブプライムローンという
低所得者を欺くような高金利商品があったという事なのではないでしょうか。
その金鉱(ターゲット)とは、恐らくオイルマネーだと思います。消費国アメリカは
石油やモノを買ってドルで払います。払ったドルは、もちろんアメリカにモノを売っ
た先に貯まります。その貯まったドルを回収するために債権を証券化するという
金融商品を作ったというストーリーです。
これを正義の偽善者マスメディア的書き方になると
「善良な市民を道具として騙しながら世界の富裕層から金儲けウォール街」と
なるのではないでしょうか。
花大好きどっとこむ 運営責任者 Shunichi
Higuchi
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