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Vol 307  2009/10/6 配信済


■不況になると必ず出てくる精神論。

不況になると必ず出てくる精神論。
自らの努力が足らなかったから売り上げは減少した。
だから、これを踏まえ反省して更に進化した姿を
消費者へ示すことで再起を思う。

ごもっともな意見だと思います。
しかし、これでは何ら解決になりません。
なぜか、というと自らの努力の欠落という一人称で
語られても、そんなに簡単に経済や物の動きを
語ることが出来ないからです。

ご存知のようにマーケットとは需給バランスがすべて
です。どんなに安価であろうと便利であろうと、
高品質であろうと、消費者の数が減れば必然的に
売り上げは落ちていくと言う簡単なマクロ経済理論
で説明できます。

不況とは、マーケットにお金が流れなくなることを
言いますので、売れなくなった要因の一つに世界の
金融危機が挙げられます。私はこれすべてと思って
いますが、しかし、他の要因を構造的などと色々と
いう人が居ます。

しかし、その理由の元を辿れば、やはり金融危機に
行きつくのです。もしも、不況の原因が商品やサービス
が劣っていたというならば、先の狂乱バブル景気の時代、
世に出ていた商品やサービスは一流であったかという
疑問を感じないわけにはいけません。

先の狂乱バブルの本当の理由は金融の緩和、各種
金融機関を通じて政府が貿易黒字で溜め込んだ
お金をとっても緩い条件でドバッと法人格であれば
どこでもお構いなしに放出したのが狂乱バブルの
始まりです。

一方、企業業績が好調を維持して右肩上がりで
あっても、その企業の株価が下がることがあります。
1,000円の株価が500円という高値圏の半額に
下がることも珍しくありません。
なぜ、このような現象が起こるのでしょうか。

簡単ですね。買いが少なく売りが多いからですが、
その売りの原因を突き詰めれば、金融危機の
影響を受けた保有機関の資金ショートで集金作用
が働き、保有株の換金目的の相場無視の放出です。

そして、この放出に引きずられるように狼狽売りが
続きます。これが簡単に言える世界的なマクロ経済
の資本喪失の理論です。

お金が必要以上に世の中に流れればインフレは
必ず起こる。すると余ったお金は必ず資産バブルを
引き起こします。ゴルフ会員権,絵画、不動産、
株式などの高騰で資産運用市場へ流れます。

一方、市場にあったはずのお金が何らかの理由で
姿を消せば不況の始まりです。つまり有形無形を
問わず、市場にお金が流れるか否かで経済の
好不況は決定されるのです。

また大きな流れとして必ず、いつかは好調の消費
も頭打ちになり、需給バランスは崩れ、調整を
余儀なくされる。これがマクロ経済の論理です。

ご存知のように日本はそのマクロ経済の真っ只中に
居るわけですから一人称的に自分の努力が・・・と
いうような捉え方ではすべては見えてはきません。

つまり、調整期に入った経済は一人称的な企業の
業績などは関係ないと言うことです。これに似て
いるんです。自らの努力が足らなかった。
だから売り上げが下がったという論理的構造の人々は・・・・・。

確かに自らの努力に欠陥があった。だからそれを
改革して、もっと消費者に喜ばれる商品やサービス
を提供すれば、再起は図れるという論理は一つの
案として賛同を得るに違いではないでしょう。
しかし、この論理は好況であろうとも不況であろうとも
日常的に取り組む企業家の責務です。


縮小するマーケットで業界団結しても業界全体を
引き揚げる力は無いという現実です。団結という戦略
は会社側と労働者という組合的な対決軸があれば
こその戦略であり、業界発展というマーケット戦略に
は意味を感じません。ますます、業界が団結すれば
するほど消費者の信頼は離れていくように思えて
なりません。

また一部の生産者へ花業界全般を真剣に考えて
いないという批判的な意見も聞こえてきますが、
生産者が園芸栽培から他の商業栽培へ素早く
転作できるシステムを保持することは、彼らの生き
残る為の優れた資産の分散というリスクヘッジです。

私は農家でもなんでもありませんが彼ら農家の
行動は人間に内存する正常な防御本能その
ものですから否定することはできません。

古くは,1962年のキューバ危機。
小国キューバはソ連へリスクヘッジを求めました。
当時、もしも、大国アメリカにソ連の後ろ盾という
リスクヘッジ無く立ち向かっていれば、現在のキューバ
という国は存在しなかったといえるでしょう。

また最近では、自動車のGMです。
1990年代GMはエコカーの走りである電気自動車の
開発に成功していましたが、高価なためリースという形で
普及の道を歩んでいました。しかし突如の販売停止、
商品回収という道を選び、研究を中止して主力を
ガソリンをばら撒いて走るような大型車へシフトします。

結果はご存知の通り、日本のトヨタやホンダなどの
エコ対応車のハイブリット開発に遅れをとりGMは
破綻というネガティブな選択を迫られました。

また、私たちの住む日本も戦後、アメリカとの同盟
関係というリスクヘッジも無く、単独で世界へ再起を
賭けたならば、世界第二位まで登りつめる経済
大国になりえたでしょうか?

リスクヘッジも無く、業界全体で一方方向を向く、
業界全体を思えば業界全体で団結して一つの
方針へ向かう。
これらの考え方の方が私は危険を感じます。

為替市場で一つの通貨に全財産を賭けるのと
似ています。盲目的に団結と言う言葉の響きに
惹かれているようにも思えてきます。
業界が好調ならば、農家は黙っていても花を
作るようになります。
業界も統一性が生まれるものです。
これが市場の原理です。

現在は世界経済の調整期、じたばたしても
仕方が無い。一個人で立ち向かえる世界では
ありません。ここは、生き残る為に各々の仕様に
あったリスクヘッジを尽くす。
これが、基本的な方向ではないでしょうか。

作っても売れないから作らない。
仕入れても売れないから仕入れない。
店を開いても客は来ないだから廃業して他の生業を
考える。これの方が正常思えるのですが、属する
業界にしがみ付く方が私には異常に思えてなりません。

なぜ花屋なのか、なぜ卸業なのか、なぜ農家なの
かということ考えることは、その人の人生の履歴を
情緒的に見て飾るだけで、ビジネスとは何ら関連性
は無いように思います。

どうしても自らが属する業界と人生をリンクして正当性
を見つけようとすることは人間の常で理解もできますが、
人生観とビジネスを同等にしようとすると見失うことの
方が多いように思えます。

大切なことは、ビジネスとして自らが属する業種が
これから先、どのような道を歩むのかを予測し、
その結果を真摯に受け止め、踏まえ、投資して前進
するも、廃業して撤退を決断するも正解という、
そんな議論が正しいのだと思います。

業界団結という掛け声も時にはアドバルーンとしては
良いですが、将来かならずやってくる消費不足に
よる更なる縮小という現実に各々が生き残る為に
やらなければならない具体的なリスクヘッジこそ
大切と考えます。

そのための議論は大いにするべきだと思います。


■  編集後記
単純に赤字だからやめる。
10円しか儲からないならやめる。
100円儲かるならやる。

これがビジネスですから・・・・・・。

理屈と論理で正しく思えても、人は感情で動く
生物です。
正に、ジョージ・A・アカロフとロバート・J・シラーの著書
にもあるように人間の心理がマクロを動かすという
アニマルスピリットですね。
世の中、理性と正論が解決すると思うととんでもない
落とし穴が潜んでいます。


■  無手勝流師範(勝手気まま!)

アメリカ民主党の戦略
製造業からインターネット、そして金融へとアメリカの資本
主義経済は、この100年世界の覇者として地位を獲得
してきた。そして、この間、政治は大きな政府(民主党)
と小さな政府(共和党)の綱引きを行ってきた。

どちらが政権政党になろうとも、国益としてアメリカ資本
主義の繁栄を続けるという大義に違いは無い。
そこで、登場するのは、オバマ政権の目玉政策
「グリーンニューディール政策」簡単に言えば環境関連で
産業を興す。

そして、もう一つが社会福祉から保険制度までの改革。
明らかに、前政権の共和党とは名目上の政策に180度
違いを感じる。
ところで、この環境対策だが、不透明な部分が余りにも
多いことに気づかされる。

民主党の前のゴア副大統領のキャンペーンが有名だが、
世界中で繰り広げられる環境関連キャンペーン。
日本では付和雷同の如く、何でもエコといえば、
際立った正論も正統性も無く、ある種、先進のようで
トレンドになっている。

私の捻じ曲がった性格の人間からみれば、これも
アメリカの世界戦略と思えてならない。現、民主党政権が
誕生する10年も前から、新たな産業創出を目指し民主党
の環境問題政策は進んでいたと思えるのからだ。

この点は、ある意味さすがと言わざるを得ない。
つまり、環境危機、地球が危ない。という危機意識を
植え付ければつけるほど環境政策は進むことになる。

前回のメルマガにも書いたが、石油エネルギーが危ない
といえば石油価格は高騰すると同じ論理だ。
代替燃料の開発にシフトできるということだ。

正直いって環境問題のコンセンサスを見つけるのは
難しい。なぜならば180度違う論評があるからだ。
また、専門家の分析に真反対のデータ。

素人である私たちには何を信じていいものか
正直わからない。素人考えで思えば、地球自体に
再生する能力はあるだろう。
何億年もかけて地球は変化している。

人間の英知から生み出された様々な創造物が
地球へ影響を与えるようになって100年ほどである。
地球の歴史からみたらミクロの点に近い。

また、環境に対する様々なデータも平均すると
50年間の記録でしかない。
そんなデータですべてを決め付けるのは早計で
あるようにも思う。


Shunichi Higuchi

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