花選び(花の顔)
皆さんは花を買うとき一番に気を使うことは何ですか?もちろん、花屋さんならこの質問に対して、すぐに答えが出せると思います。そこで、今回は一般の花ファンの皆さんに質問です。
まず、花屋さんへ入ってフラワーケース(冷蔵庫)や一本売り(ばら売り)の花を「これとこれ」なんて指定して買うお客さんはそれなりに買いなれた方だと思います。でも、そう言った買いなれたお客さんでも優れた組み合わせをされる方は稀です。
私たち花屋が本当にうっとりするような組み合わせをなさる方は年に多くて2〜3人です。それほどお客様にとって花の組み合わせ選択は難しいものでしょう。私たち花を売る人間とすれば、こちらのお客にはこれこれの組み合わせ。そちらのお客様にはそれとそれといったように大体これで喜ばれるだろうという花の組み合わせは知っています。
要するに冒険をしない、それなりの組み合わせで大体のお客様は喜ばれます。しかし、これは商売を建前としての組み合わせであって、花屋さん自身が気に入った組み合わせだとは限りません。そうです、どんなに変てこな組み合わせであってもお客様が喜ぶ組み合わせが出来る。これがプロの花屋さんなのです。
お客さんの感性も良いのですが、偶には、ここは思い切って行き付けの花屋さんに全てを任せてみるのも新しい感動があるかも知れませんよ。用途と予算を伝え、「独創性豊かにあなたの感性でアレンジして…・・。」と注文してください。きっと驚きがあなたを包みます。
話は少し横道にそれてしまいました。花を買う選択肢として価格や好き嫌いは個々の問題ですのでここでは書けません。いや、こんなこと他人がとやかく言うことではありませんね。
では、花を買うという副題から話をもどして花を選ぶという主題に話を戻しましょうね。まず、用途です。これが一番大事なキーポイントになります。その次が活ける場所と器です。お子さんの誕生日に豪華な蘭は似合いません。また、枝を使って古風に活けるのも似合いません。まあ、どんな花材を使っても活ける人の感性で斬新にも古風にもなるものですが…・…。
大切なことは活ける場所のバックカラーです。また、器の色と形です。投げいれなのか、水盤やオアシスを使ったものなのかです。そこで、これらの器と活ける場所が決まったら、その場に、もしもこれを活けたならばどうなるか?また、形や色などの全体像などをイメージしてください。
しっかりとイメージが出来あがれば後は花屋さんへ行って花を購入するわけですが、ここで注意することは色を先に選んでください。決して形から決めないで下さいね。それと価格ね!!予算が無かったら本数を少なめにすれば良いと思います。
花は良く見るとそれぞれ特徴のある形をしています。この形を優先して活けることはプロでも至難の技です。それほど難しいものなのです。ところが色合いで活けていくと案外と巧く活けることが出来ます。花の顔にはそれぞれ力というものがあります。
微妙に方向を変えることにより花の活力を生かすも殺すも簡単なのです。また、大きな花ほど難しくなります。
余談ですが、微妙な花の顔を見極めることが出来る方法があります。チャンスがあれば一度試して見ると花の力ということが解ると思います。それは日本で一番消費されている皆さん良くご存知の花「菊」を使ってやると良くわかります。まず三本の菊を用意します。一本の菊を目線より少し下(口元あたり)に持ちゆっくりまわしてください。
そのとき花がこっちを向いているなと思える位置が前です。そしてこの方向を見る側に向けて三本の菊を同一方向に垂直に活けてください。どうです花が生き生きとこちらに向かってくるように見えませんか。活けるときはそれぞれの菊を一面が5センチ位の正三角形に立ててください。
高さも多少変えるとその違いやバランスがよくわかります。
また、より一層解りやすくするために、その向きをばらばらにして見るのも対比が出来て解りやすいと思います。もちろん、これは花の顔の向きにより微妙に力の伝わり方が違うということを知る方法ですので、実際にはこういったことを気にとめながら斜めに活けたり横に、また垂直を活けるわけです。
この顔の向きを知って活けるのと知らないで活けるとでは大きく出来あがりが違ったものになります。同じ花を使って何でこうも違うのだろうと思われるのは、この顔の向きを微妙に生かしているか殺しているかの違いなのです。
それほど形をさばくには訓練が必要となります。しかし、色というものは普段の生活の中から習慣的に養われている人それぞれの感性です。つまり見慣れているカラーコーディネイトです。イメージするときに色をしっかりとすれば、まずは間違い無く活けることが出来ます。
どうしても有名なカサブランカ(白いゆりの大輪)などを活けたい、とお思いの方は、ほかの花は使わずカサブランカだけで活けたほうが無難に活けることが出来ると思います。
それから最近良く見かけるヨーロピアン風アレンジメントですが、これはここで書いた典型です。花と花を隙間無く埋めていく方法だと色合いが大切なポイントとなります。ですから素人でも色合いの感性があればプロ顔負けのアレンジメントが出来あがります。あなたも早速トライしてみては…・・。
ヨーロピアンでもカラフルにアレンジすることももちろんありますが、日本人がイメージするヨーロッパは、くすんだレンガや枯葉といったようにトーンを落とした組み合わせで作成すれば、もう、そこはヨーロッパの風景です。簡単でしょう。
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■編集後記
いつからだろうか、旧年と新年とのバトンタッチを祝うことが通例となったのは?厳かに行われる行く年来る年の感動が年々薄れていくのである。除夜の鐘の音に耳を澄まして心を無にし空の世界に身を置けば百八つの煩悩が振り払えると仏教は説きます。捨欲ということらしい。
欲の塊と化した私などには、中々出来るものではない。年末ジャンボ、年末の売上、新年の仕入れ、今年の商売?、楽に稼ぐ方法は等など挙げれば限が無いほど出て来るのである。全くもって物欲の極地である。
あ〜あ、まったく欲を捨てたいものだ、と思う。だが、これも欲を捨てたいという欲である。ということで本年も相変わらず欲を炎の如くめらめらと燃やして進むことにしました。いつものことで新年を迎えたときに思うものは、あれもしたい。これもしたいのしたいだらけと気がつかされます。
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■花屋の本音トーク
新年を迎える気持ちの中に感動が無いと先に述べたが、仕事に感にてもそう言える今日この頃である。今のままの商い方法で良いのだろうか?旧態とした業界慣行の流れの中に身を置き、与えられるだけの情報と環境で忙殺されるように時だけが過ぎていく。
あんな花でアレンジして売りたい、と商圏の狭さをウェブに求めてネットショップを開設された前向きな花屋さん。こんなお店を作りたいと夢に向かって懸命に勉強されている未来のフローリストさん。欲しい花がちっとも手に入らないと嘆いている花屋さん。理想と現実の狭間で業界矛盾を克服するために努力されている花屋さん。がんばりましょうね。
先日、NHKの深夜番組であるトーク番組を見た。コピーライターの糸井重里氏、千と千尋の宮崎駿氏、それとアメリカ在住の建築家荒川氏の三人のトークだったが、中でも荒川氏の言葉が印象的に残っている。それは「フレームあるもの全てフィクション」と言うものである。全て偽者と言うことであるらしい………・・。
三人の卓越した意見の中で今の日本を救えるのは住空間を変えるしかないと言うことだった。空間は与えられるものではなく、人間が本来持っている自由発想を導き出す環境が必要とする。すなわち行動の中から空間が生まれるという哲学的思考である。と私は解釈していますが、見られた皆さんのご意見は如何……・?
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