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花の仲卸の戦略と勘違い 2003/04/08



今回のレポートは仲卸の仕事のお話です。


東京の仲卸の話ですから、地方の仲卸には適さないかもしれませんが、
日本は狭いから、どこも同じ問題に直面しているのではないかと思いますので、
少しは意味があると思います。



 
東京の仲卸の発達は平成63年に北足立に中央卸売市場が出来てから始まります。
したがって東京で仲卸という業務が正式に始まって、まだ15年ほどの歴史しかありません。それほど仲卸とは新しい業態なのです。もちろん、これより先に似た業務は存在していましたが、そのほとんどが場外の園芸問屋であり、現在のような生花専門仲卸としては一部の地方卸売市場内に私設の店を数えるほどでした。


ところで仲卸という名称は中央卸売市場内に店舗を持つ事を農水大臣から許されたものを言います。つまり免許制です。だから市場法という規制の下にあると思ってください。


中央卸売市場整備以前は東京に40数社の地方卸売市場という荷受会社
(花市場)がありました。そして、その地方卸売市場は統廃合を繰り返し、
現在の5中央卸売市場になりました。

つまり花市場がここ十数年で1/4になったのです。(独禁法の絡みで一市場2荷受会社
と決められていて、がんばって競合しろと言う事なのでしょうね。)


そういった関係で花市場が大型化しましたから、配下に小回りの効く仲卸をどこの市場も抱えるようになったわけです。つまり仲卸の歴史は花の中央卸売市場の歴史と同じという事になります。



ところで中央卸売と地方卸売とは何が違うのでしょうか?
中央は農水大臣、地方は各都道府県知事の認可です。
その他に市場法など、こまごました取り決めがありますが、外から見ても分かりません。
まあ、許認可の説明をしても、このレポートを読んでいる皆様には必要ございませんから
この辺でやめますね。





ところで地方から中央へと移行した際の仲卸と上部卸会社との営業関係ですが、
少し説明します。そうでないと先行きの理解が浅いのではないかと思うからです。


まず、花市場はセリという販売方法で以前から業務を行っていましたので、
中央になったからといって業務の内容は基本的には変わらず取扱量が増え分に
対応すればよかったのですが、現在入場している仲卸はすべてが相対売りです。
つまり価格がついた商品を販売しているのです。

また数社を除けば、ほとんどが仲卸という業態は未経験の新参入組みです。 
ある仲卸は花屋さんの集まりであったり、旧地方卸売市場の変形であったり、
また、その市場の社員が設立するという形で仲卸という業務ノウハウの
無いままの参入なのです。それほど現在の仲卸とは新しい業態なんですね。



当初、この制度ができた頃は一様に、これからは仲卸の時代だと
誰もが思っていました。特に仲卸を開業した人々はね。
登録している花屋さんは皆、仲卸から買うだろうと思っていましたが、
ところが思ったほど買いません。

なぜかといえば、同じ場内にセリ売り場という天敵がいたからです。
これは至極当然ですね。セリは値動きがあります。
つまり自分の欲しい値段で買えるチャンスがあります。
その反面、仲卸は価格決まっています。
つまり 花市場のセリで買った方がうんと安いからです。


また、出所は同じなのに、今まで同業だった花屋が鑑札もらって仲卸として
旗揚げしたからといってマージンを乗せられて、わざわざ高いものをなぜ、
買わなくてはならないのか、という抵抗感があったのも事実です。

これは流通という本質からいえば、つまらない感情を表したものですが、
本当は買う方の花屋さんが仲卸を利用する取引に慣れていなかった。
また、売る方の仲卸も売り方のノウハウが出来ていなかったとい言う事ではないでしょうか。

つまり、仲卸を利用するというという商取引がお互いの未熟さから市民権を
得ていなかったというのが当たり障りの無い説明方法だと思います。



そういった状況で場内の花屋さんはお客にならないというならば、
仲卸はお客を探さなければなりません。
そこで場外に営業をかけるわけですが、営業力のある仲卸と無い仲卸におのずと
差が出てきます。ある仲卸は業務用に狙いを、またある仲卸は他の市場を利用する
花屋さんを標的に営業をかけます。

しかし、この構図も荷受市場の集荷能力に依存していますから、
どこまでも上位荷受会社の暗黙の支配下にあります。もちろん直系子会社のような
関係ではなく別会社ですから、法的にも経営へ口を出す事はできませんが、
無視は出来ない関係は続きます。そのいい例が市場法という網です。

仲卸は基本的な営業に対し場内荷受会社から買い、売れということですから、
場外からおいしい商材を調達して売ることは余ほどの理由が無ければ場内で
販売できません。

だから、荷を確保するには上位に位置する荷受市場の影響を限りなく100%
受けるのです。ですから、荷受能力の劣る中央卸売市場内(荷受会社)で
営業をしている仲卸はつらいものがあります。


また、旧態とした花市場の営業を彷彿とさせるような上から下を見るようで
売ってやる的感覚の販売手法では仲卸から客離れを起こします。
そして、マーケットから淘汰され負債をかかえ、姿を消すしかありません。
現在もその傾向にあるようで仲卸の入れ替えは起こっています。




しかし、今では仲卸も多くの失敗を繰り返しながらも着実に販売ノウハウを
蓄積しています。でも、まだまだ情報は少なく、旧態依然とした高所からの
販売傾向は薄らいでいるとはいえない部分も多く残しています。
また、集客に威力を発揮するような情報発信もほとんどの仲卸が出来ていません。


次に仲卸のお客さんですが、今ではフラワースクールから大量に生み出された
将来のフローリストや弱小スクール運営者、直接セリでは買えない新規フローリストが
増え、仲卸の店先をにぎわしていますが、賑わいほど仲卸は利益を獲得できていない
のではないでしょうか。

つまり商いが細か過ぎて手間がかかるわりに儲からないというのが現状だと思います。

また、彼らには業界の暗黙のルールが適応できません。
まあ、この暗黙のルールも怪しいものではありますが・・・・・。
つまりプロとプロとの会話というやつです。
また、業界慣行というものです。
このややこしいプロの会話ですが、説明するとドロドロしたものになりますので、
また、いつか機会があればということで。


この細かい作業が荷受会社の販売ロットからすれば、仲卸の本来の業務なのです。
言い換えれば、小回りの効く中から充分な利益を出すシステムを構築した仲卸が
次世代の仲卸本来の姿だと私は思います。

実際には、大手量販店への大量ロット販売で取扱高は計上できますが、
実益は扱い量に比べて見劣りする商いを強いられるのではないでしょうか。
また、二重価格を設定して利益の確保をもくろむ方法もそれも一つの商法ですが、
間違いなく将来の顧客は今店先を賑わしている新規参入組のような
業界常識の通じないゼネレーションです。

また、大手異業種が花に新規参入する場合なども、仲卸を利用する場合が
多くありますが、彼らにしても同様に業界通念が通じません。
つまり新しい息吹を入れるには、少しでもパイ拡大に努めるのならば、
そのような風に対応できるシステムをいち早く構築したところが勝ち残ることになるでしょう。


ここで苦言、新参者は仲卸を使いますが、じきに力をつけてくると仲卸から、なぜ
離れていくのでしょうか?ここのところをじっくりと再考する必要があるのではないでしょうか。




次に仲卸の営業面ですが、
儲かっている仲卸ほど店を閉めるのが早い。なぜでしょうか?
それは儲かるお客を一義に考えているからです。
儲かるお客とは固定客です。
店には姿を見せないで買ってくれるお客です。
電話、FAX、ネットなどで外部からオーダーの入る客です。


セリが始まる頃には、もう取引は成立している商いです。
後は届けるだけです。活発に販売を伸ばしている仲卸はここが違います。
つまり売り上げの80%近くをセリが始まる頃には確定しているわけです。
この比率が低い仲卸ほど苦戦を強いられています。
では、なぜこのような差がつくのでしょうか?


皆さんは機動力や商品の質、価格、またキャリアと思うでしょうが違います。
それは情報を使う能力の差です。これははっきりと言えます。
ですが、もっと次世代を見据えた仲卸になるには、これでは不十分です

また、だらだらと荷を残して営業を続けている仲卸も多く見かけますが、
少しでも長く店を開けている方がお客さんは、来てくれるから
サービスをモットーとして売り上げが稼げるという、
とんでもない意見が聞こえてきますが、
それ自体がもう時間と数字を読み違えた錯誤です。



FAX受注もできる。
ホームページを作った。
四季の花情報やコラムをアップした。
メール対応でネット注文できる体制も作った。
会社の紹介もスタッフの紹介もした。
だから、わが社は時代の先端のインターネットを活用しているから、
準備万全と思っている仲卸の社長さん。
勘違いしていますよ。
 
このようなことは既存の活動となんら変わっていません。
これではコストのロスです。
まあ、“無いより有った方がマシ”といったところでしょうか。
 
次世代は間違いなく情報戦です。
情報を制した者が商物も制すということが今以上のスピードで顕著に起こります。
あなたが考えている以上のスピードです。
 
のんびりと客が来るのを、商品並べて待つのでは、いつまでも効率良い商売とは無縁と
なるでしょう。また、ホームページを会社紹介や販売窓口のツールとお考えの方は
スタート時点で、もう間違いを犯しています。
もたもたしていると戦いは終わってしまいますよ。





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