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花を買ってくれるユーザーをもっと知ろうよ! 2003/08/11



花を買い求めるお客さん(エンドユーザー)は花に何を求め、また何を託して大切なお金を使ってくれるのだろうか、という命題は花を利益の源泉として商いを行う花業界人にとって、永遠のテーマである。

しかし、この重大な視点について些かの解明努力もなく。また、感心すらない花業界人が残念ながら、多く居ることが見えてしまうのは私だけだろうか。つまり、花がどのように消費者の心に認知をされ、そして、どう消費されるかという、仕組みの解明である。



ところで、消費の仕組みについて、私は多くの花業界人へ問いかけを行ってきたが、
残念ながら明快な答えをくれたものは少ない。中でも最悪なのが、口では消費者動向の把握や顧客優先など、歯の浮くような言葉がポンポンと出てきて、良い花を提供しなければならない、と盛んに唱えはするが、さて実態は業界通念から一歩も動こうとしない既得権死守の理論武装で、エンドユーザーの利益など、どこにもない消費者不在の思考回路をたどり、行き着く先は自己満足という裸の王様顔負けの最悪の世界を作り上げていることに本人はまったく気が付いていない。


こういった業界から見て都合の良い理論武装する人々は業界という観念が凝固まった人々に特に多い。また、そのことが逆に業界発展に寄与していないことに気が付かないで持論を展開しているから困り者である。

確かに持論を展開する人々の理想を聞くと、それは業界にとってすばらしい理想郷を解説してくれる。しかし、その多くが物流インフラ構築の構想であったり、またそのインフラに乗せることで利益獲得を目論む取り組みに過ぎず、また、作り手の自己満足をくすぐるような生産であったり、また予算消化のための花振興プロジェクトで本当の花振興の意味が薄れることが多い。

また、口角泡を飛ばす割には旧態とした保守的で年功序列型論調を展開し人情的哀愁を前面に押し出し、過去の栄光にすがりついていることに気が付いていない。そこには最終消費者へ幸福感を提供するという本来の目的意識の欠如から来るからであろうか。


これは、まさに川の流れのように上流から下流へと流れるインフラ上に小さな笹の葉を目的もなく川の流れに任せるまま流したに過ぎない。もちろん、いつかはこの小さな笹の葉は大海へと流れ込むだろうが、最終的に名もない浜辺へ流れ着き、ひとつの浮遊物としてゴミとして扱われる。つまり、幾ら高品質の花を生産して、現在の主流である市場流通というインフラへ乗せることだけに傾注すると、笹の葉と同じ末路をたどることになる。

確かに、物をスムーズに流すためにはインフラ整備という命題は避けてはならないことは、充分に理解出来るが、それは、あくまでもコストと効率というものであって、商品(花)そのものが持っている力(魅力)とは次元が違う。本当から言えば優れた生産物を優れたインフラで、という統一された考えの下で取り組むものであるはずだが、残念なところ、これを別々に考えるならまだしも、高品質イコール売れると直線的に考えている人があまりにも多いことに驚かされる。残念ながら、そこには最終消費者へどう認知してもらうかという取り組みは見えてこない。

ものがどうやって売れるか?またどう消費されるかという解析が出来ていない。本当の花振興を視野に入れた取り組みを目指すならば、最終消費者の心をつかむ努力をしなければ、すべての目論みは徒労として一過性のものとなることを自覚する必要がある。

つまりマーケットを創るという取り組み、マーケティングの思考を研ぎ澄ますことが花業界人に今、最も求められている、と私は思っている。





少しここで例え話をしてみよう。

前向きな生産者が発信する言葉の中で、もっとも頻度の高いもので「消費者の声が生産現場へ届かない。」がある。では、どうようにして具体的に消費者の声を集めているかと言えば、取引中の花市場に聞くが一番の多い。この答えについては生産者の立場からして理解はできるが納得は出来ない。つまり、情報を求める先が違うということである。

花市場に求めるものは生産した花を如何に高く売ってくれるか、ということであって本来生産者が一番知りたい情報を求めても、そこには存在しないという認識が必要だ。確かに、聞けば花市場は情報の巣窟のように感じられるかも知れないが、それは花市場の集荷目的のセールストークであって、正確には販売履歴データと産地データ等の数値データは幾らでも持っていが、本当に生産者の知りたい最終消費者の購買履歴や志向、動向などという本来最も必要とされている情報を持っているか、という問いかけには一部の先進的市場以外は、ほとんど持っていないが妥当な見解だろう。

つまり、花市場は生産者が期待するような情報は持ちえていない、とした考えのほうが確かであるようだ。



私は常々、思うことがあるが、本当の情報のように見えても、本当の情報ではない情報と嘘のような情報でも、実は本当の情報であるという場合が往々にしてあること。たとえば過去の履歴から蓄積された相場情報や今、何が売れているかというリアル情報などは、皆過去の情報である。また、トレンディー情報も、また然りで、これなど嘘とはいえないが、さほど重要な情報とはいえない。

つまり、上記した情報などを元に販売計画や生産計画を立てても、そこからは優れた答えを導き出すことは出来ない。出てくる答えは時代をなぞるだけの行為に過ぎず、反省や失敗しなかったという言葉は聞けても、社会貢献(パイ拡大)や消費者認知という成功の答えはない。

では、どこに本当の情報はあるのかというとズバリ小売店の玄関先。
そう売り場にこそ、その答えはある。
案外と、この当たり前な視点が抜け落ちている事が往々にして起きている。
だから、取引先である花市場にその答えを求めようとするのである。





生産現場からみて、もっとも重要な情報とは
「花店の仕入れ動機と販売方法」である。

花商の買い入れ動機の一部であるから参考にして欲しい。


1 「価格」

2 「品質」

3 「加工度」

4 「量的な対応」

5 「相場なりに安かったから漠然と買った。」

6 「代換え品」

7 「ギフト用に最適」

8 「量販向き」

8 「開花が遅いため販売チャンスがある。」

9 「店主の嗜好に合う」

10 「ドライに最適」

11 「なんとなく買った。」

12 「品質にばらつきが無い。」

13 「品質のわりに相場が安い」

14 「市場が力を入れていないから安い。」

15 「市場が強引に売りつけるから仕方なく買った。」等々

こういった情報を直接小売商から得る取り組みが必要だ。


現在の花市場の多くは、相場形成や集荷力の強化に躍起である。
目にみえる結果を求めて一喜一憂する、そんな取引市場に真の情報収集能力など、あろうはずがないと私は思っている。また、花市場主催の懇談会に顔を連ねても、そこにも大した情報は期待できない。だから、およその生産者は過去の情報収集方法に不満を持っているということは間違いないと思う。

この点から言えば、まだ小回りの効く仲卸の方が正確な情報を持っている。また、仲卸がある生産者のある品目を定期的に買い入れる場合の動機だが、まま一時的な仕入れの失敗や市場との付き合いという理由はあるが、定期的に仕入れを繰り返す場合は、必ず価格や品質以上に重要な要素がそこにある。

それは「儲からない商品は絶対に買い入れない」という法則である。つまり、定期的に買ってくれる売り先が存在するという単純なものである。では、なぜ定期的に買い入れをしてくれる顧客調査を行わないのかと言う単純な疑問が生じるのだが、これをシスマティックに取り入れている生産者が果たして居るどうかは、甚だ疑問だ。

また、頻繁に買い手が変わるようでは、その生産者の花にファンは存在しないと思ったほうがよいだろう。そういった小売商の買い入れ動機や買い入れ履歴こそ、生産者が求めている本当の情報であるはずだ。

つまり、こういった追跡調査データから真の生産計画が作成できるであって、間違っても前年の販売単価実績の情報から抽出された相場情報などを元に作り出された花は、同じようなスタイルをとる多くの全国生産者から出荷される同一の花で市場はいっぱいとなり、毎年繰り返される供給過多で価格暴落という結末である。

大切な資源や時間、そして尊い労働を費やし、丹精込めて造り出された花がどこで、どのように消費者の手に渡ったか、そして幸福感をどう提供できているか、という情報源こそが、今、花生産現場に求められている。





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