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花業界のソフトとハード 2003/11/19


インターネットが社会に登場して、いったい何年くらいになるのだろうか。

確かブラウザが世に出て10年余り、その後のインターネットの普及率は目を見張るものがある。老若男女を問わず、社会環境のどんな場面にも登場することは、もう皆さんもご存知の通りだ。職場はもちろん子供達の遊びの場にも、その勢いは衰える気配なしだ。その勢いを冗長させたのも、すべてはコストパフォーマンスに優れた点だ。



そんな中、私たちの属する花卉業界も例外にもれず、様々なサービスを提供するネットビジネスが立ち上がっている。「花市場や仲卸のネット卸」「小売商を対象にした花専門のショッピングモール総合事業」「花商団体のネットーワーク構築」そして何よりも活発な動きを見せる「SOHO的な無店舗販売のサイト」と「既存の花屋さんのホームページ」の増加傾向です。今更ながら、やっと気がついたか、という感は否めないのですが、花業界も本格的なネットビジネスの到来です。


ある書物に、こんなことが書いてあった。
「ここ10年以上も引きずっている日本型不況もアメリカに差をつけられたのも、ひとえに日本の企業の経営者のITオンチの性だ。」というものです。

パソコンに代表される箱(道具)さえ揃えればITだということを皮肉った言葉で、なかなかの説得力です。その例を一番に表しているのが、最近ある調査で国の政策で、ITの普及を目的に予算がばら撒かれた結果、数千台単位PCがホコリをかぶって使いものにならないという報告がされています。それも一地方行政単位で。一体ホコリをかぶった税金の無駄使いは日本中に何台あるのでしょうか?

今更ながら、という感は否めないのですが、ITを有効に活用するという部分で、ソフトウエアの価値を如何に知ることが大切なのですが、どうも目に見える物質に存在価値を求め、予算をばら撒けば目標は達成されたという傾向にある私たち現在人の悪習は、まだまだ多く残っているようです。その結果はあらゆる無駄・無理・ムラを生み出しているようにしか見えません。

意味ありなウンチクを武器にオフィス内LAN構築でグループウエアや情報の共有が大切だと言いながら、その価値と使い方をどれほど誤って使ったかを知ろうとはせず、また、どう使うかという方法論さえ手探りの状態では、直ぐに使い物にならなくなり、これから先もアメリカからの高価なソフトウエアを買う側に甘んじるしかありません。




ところで、今はコンピューター言語を学ばなくても簡単にホームページは出来てしまいます。簡単にソフトウエアを使うことも出来るようになっています。また、以前に比べて各種設定も簡単に出来てしまいます。ですが、これもソフトという道具を使うよりも、そのソフトを揃えるか、また、データをシステムに合わせてどう読み込ませるか、ホームページをどうカッコよく見せるかという傾向に、何を以ってカッコ良いのかわかりませんが、些か気になるところです。


道具を使って目的を達成させる。大切な事は如何に効率よく生産性を上げる事なんですね。簡単に言ってしまえば無駄な労力をいかに少なくし利益を上がるかということなんです。それをどこでどう間違ったか知れませんが、道具であるホームページを作ることに目的がすり替わったりしています。また、システム構築にしてもシステムのためのシステムを作って満足しています。ホームページを作ることやソフトを買い揃えるのが大切なのではなく、上手くそれらの道具を使いこなして、ご商売にどう取り込み利益が出るかが大切なのですが・・・。

朝から夜中まで、額に汗して身体を酷使し、働いたと感じることで達成感を求めることは間違いです。正しいのは少ない時間で効率よく達成させるための施策です。言葉としては過激ですが、誤解を恐れず言わせて頂ければ、たとえ机に足を投げ出そうとも、片肘つこうとも成果がでれば目的は達成された、ということなのです。

「頑張って働こう!すると成果は必ず訪れる。」と説くのは、本質を見極められない経営者の使う常套手段の言葉です。言葉としては正しいように思えますが、何を目的に、何に対して、どのように成果を上がるかという具体的に指針と施策があればこそ、この言葉が生きてきます。
本質はシンプルなのです。


また、百歩譲ったとして、なにもインターネットをご商売に使わなくても、インターネットとは、どういう世界なのか、情報のやり取りとは、どういうものかという事を知ることに少しの時間と労力を使うことによって、どれほど花市場で安く買った、高かったと一喜一憂するよりも、時代の動きを知ることで数段もの高い価値があると思います。

なぜならば時代の動きを、安易に安価で知ることが出来ます。また、そのことによって先の商売にとって、どれほどのイマジネーションを呼び起こすかも知れません。過去の成功例や経験則からは、もう何も生まないと考えたほうが確かです。時代が変わったということです。それを確信できるのがインターネットに代表される情報のやり取りとその情報のさばき方なのです。


ダイレクトモデルの代表としてデル・コンピューターがありますが、その創設者のマイケル デルはこんなことを言っています。「情報量が在庫を無くす。」
究極は、すべての情報が支配し無駄を無くすということなのでしょう。


私はいつも思っています。生産者の方はご自分の力作を、なぜインターネットを利用して花商に売り込まないのか不思議に思うところです。たとえ、その行為が即売り上げに繋がらなくても、直接花商から先の生産計画に有効な情報が得られるのではないでしょうか。もう待っていても変化はありません。既存の流通に乗せることで利益を獲得するという、ある意味近視眼的な施策は数ある方法論の一つと考えるべきだと思います。メーカーである生産者の方は願っているはずです。ご自身で作った花をなぜ、第三者に値付けされるのかを。

そのために、何をなさなければならないか?
それはマーケティングという意識を揺り起こすことです。



市場流通も再編の時期に差し掛かっています。そのための市場法改正なのです。
何も大型市場主導もしくは優位にさせるための市場法改正ではありません。
私は思います。中小の花市場はなぜ、仲卸的機能を充実させないのか不思議な所です。
大型市場のように仲卸店をいくつも抱えるという代理店的機能を持つことではありません。自身が仲卸的フットワークに徹することです。いつまでもお客がわざわざ朝早くから来場してくれると思っていないでしょ。

時代はミクロなサービスを待望しています。
その戦略を可能にするのがコンピューターです。
何も数千万〜億円のシステム開発費をかけなくても戦略的には数台のパソコンと数種のソフトウエアーで出来てしまうはずです。

そのためには何をなすべきか?
それはマーケティングという意識を揺り起こすことです。



セリ人や事務員まで動員して荷捌きや荷受作業、そして自社配送を長い拘束時間を費やして従事させているのでしょうか?不思議に思うところです。なぜ外部へロジスティックを全面委託しないのでしょうか?また、どれほどの顧客の気持ちを熟知しているのでしょうか。
たとえば、買参登録の花商のキャパスティをどれほど知っているのでしょうか?また、購買能力を知っているのでしょうか?そして、どういった傾向のスタイルでご商売をなさっているか、またメールアドレスやデータベースをお持ちでしょうか?なぜ電子メールで納品伝票を発行しないのでしょうか?

顧客がどういった展開でご商売を進めようとしているのか、という顧客情報なくして、産地情報はいかほどの意味を持つものでしょうか?

なぜ、花市場は生産者ばかりをみているのでしょうか?
売り先があればこその集荷能力ではないでしょうか?
また、なぜ花商が他の市場へ浮気するのでしょうか?
そういったデータなくしてむやみに営業をしたところで空鉄砲です。

まずは、売り上げを増やすつもりなら的確なデータを集めることから始じめるはずです。
いくら精神論を説いて頑張れではスタッフは育ちませんし、コスト削減の常套手段で
安易なリストラ(首切り)では、だれもやる気は起こりません。
そんな業界に魅力を感じて優秀な人材が集まって来るでしょうか?


花は生もので特殊な商取引だからキャリア豊富な玄人でなければ出来ない世界だ。
なんて時代錯誤も甚だしいことは、もう思ってはいないと思いますが・・・・・?




すばらしい商材としての花を広めるためにも、また業界発展のためにも、是非とも、業界人一人一人が食わず嫌いはやめて、コンピューターやインターネットという道具をご商売に、職場に活用してください。今まで見えなかった世界が必ず広がって見えてくることをお約束します。

そして、マーケティングという意識を高めてください。
まさに、このマーケティングという意識がソフトウェアーなんのです。



付録:
厳しい時代を如何に乗り切るかという目的で、これから先、数々の講習会や講演が益々増えてくることは予想されますが、ここで苦言です。
答えは花業界内にはありません。
広く外の世界にその答えはあります。

いつまでも過去の成功者の意見をもとめ講習会に参加されても
残念ですが大した期待は出来ないでしょう。
そのことに気が付かれたものが次世代の成功者です。

過去の成功者はその時代の功労者です。
そのことに対しての尊敬の念を失っては成りませんが、真理は別物です。
時代は生成流転のごとく、絶えず動いているという認識が大切です。
スクラップアンドビルド・新旧交代・新陳代謝などの言葉を連想してください。
古い流行語ですが、花業界はアントプレナーを必要としているということではないでしょうか。






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