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成功と失敗の分かれ道「ウェブ戦略」 2004/3/22



花のウェブサイトには様々な特徴を持ったものが多くある。

1 エンドユーザー向け花コミュニティーサイト
2 個人の趣味を公開したサイト
3 SOHO型のネットショップサイト
4 お花屋さんや園芸店(ガーデニング)のサイト
5 生産者のサイト
6 卸売りのイーマーケットプレイスに特化したサイト
7 お花屋さん専門のショッピングモール型サイト
8 スクール生暮集サイト
9 ブライダル関連や造花系サイト
10 花関連企業情報サイト

以上が大まかな分類だが、細かく分類すると、もっと、あるだろうと思う。





さて、今回は6番目の花のプロたちへ向けたイーマーケットプレイス(卸売り)を主体として運営を行っているウェブサイトに焦点をあてて、ウェブ戦略について考えて見たいと思う。

ネットでの花の卸売り事業は荷受会社(花市場)と問屋(仲卸)の二つに分けることが出来る。問屋とは花市場場内と場外を問わず二次問屋のことである。全国主要都市の基幹花市場としての地位を築きつつある大型花市場については、業界で飯を食っている人ならば大方は知っているものだが、こと問屋(仲卸)となると、会社名すら知らないという人が圧倒的に多い。それほど問屋(仲卸)として全国的に名の知れた企業はほとんど無いといってもよい。

その点、基幹市場としての地位を確立しつつある大都市圏の大型花市場は、全国的にブランド力はあるといえる。特に東京や大阪、名古屋といった花市場のブランド力は際立っている。また、これら大型花市場は、既存の買参人(登録業者)を多く抱えている関係上、新たな売り場をネットに求めても、割とスムーズに移行できる。

つまり、ネットでモノを売る場合に一番大切な商品情報という前情報が既に、これらブランド市場は備えているという事だ。だから構築当初からある程度の売上は見込めるとうものだ。宣伝プロモーションも然程の力をいれなくても既登録業者へのお知らせ程度で済んでしまう。「今度からネットでも買えるよ。」と伝えるだけで良いことになる。


しかし、いくら既顧客をネットへ取り込むといっても、これでは折角、商圏の存在しないネット取引を推進した意味が無い。同じパイの取り合いをしているだけである。これを解決するには当然の如く全国に向けて新規顧客の開拓を推進しなければならない。でないと高額なウェブ買い付けシステムを導入した意味がわからない。当然、このようなことは子供が考えてもわかる事だ。



そこで、ネット卸で売るためには避けては通れない今回のテーマであるウェブ戦略(どのようにして売り込んでいるか?)を検証してみたい。

花市場各社ともホームページをアップしてイーマーケットプレイスを構築する。もちろん卸売りなので、登録制でIDパスが必要になる。これはこれで登録会員に対して保護も兼ねている訳であるから理解はできる。しかし、誰もが見ることの出来るサイト上でのコンテンツや集客するという取り組みのコンセプトは見えてこない。どこも同じ様に会社の沿革、社長の挨拶、社員紹介、季節の花紹介、自社の思い入れ、花コラム、アクセスマップ、そして押さえは花の写真で終わる。

どこに集客を目的としたコンテンツがあるのだろうか?

ところでバックヤードとしての業務フローのロジックが解決されていないという事も往々にあるだろうが、ウェブサイトに販売システムを導入すれば、おのずと売れていくだろうという安易な思惑が運営者責任者にあるように思えてならない。訪れて楽しい、いつもドキッとするような提案がある。だから、この花市場・問屋から花を買いたいという気持ちが騒がない。つまり、システムを構築すれば、後は万事OKという姿勢にみえる。これではいつまでも売れないし新しい花業者は集まって来ない。


なぜ、こうなるか?少し言葉は乱暴だが、難しい専門用語と横文字の好きなシステム屋に操られているとしか思えない。何度も云っている様にインターネットでモノを「売る仕組み」と「売り場を設ける」とは違うという事を申し上げているのである。マーケティングやプロモーションで集客して買いたくなるようなコンテンツでホームページを引き立たせ、更にユーザービリティが徹底されたシンプルな受注システムを構築する。つまり、この二本柱があって初めてウェブ戦略といい、本当の意味においてのサイト運営が機能する。


もちろんコミュニティーサイトのように誰構わず登録会員を獲得し、広告媒体としても価値を上げるというサイトとは基本的に目的が違うことはわかるが、あまりにも花業者への情報発信が少なすぎるし、また見たいという衝動も起こらない。つまり集客を目的としたコンテンツの開発に妙はない。
一体、ネットで不可欠なウェブ戦略と呼ぶに値するような取り組みで、ウェブサイトを運営している卸の問屋のサイトが一体いくつ存在するのだろうか?正直言って、どの業者を見ても何度も訪れようとは思わない。

なぜ、こういった傾向になるかと云えば、その大きな原因はウェブ導入を決断する経営者のインターネット概念の無見識から来る場合が多い。ネット導入して全国に販路をという積極的な取り組みよりも、あちこちの同業者もホームページを活用しているから、ここでわが社もという時流的な導入決定であるように見える。
ホームページという道具、また、システムという道具を従来の会計システムや顧客管理のツールぐらいにしか認識がないように思えてならない。つまり、コンピューターという道具を使うのだから、ホームページもシステムも同じだろう?という業務フローの改善プログラムと同じと捉えている節がある。

本当から云えばインターネットでモノを売る、また客を集めるという手法は別な部分にあるという事を、もっと知って欲しいと思う。これでは高いお金を投入して販売システムをなぜ構築したのか、また何のための販売ツールなのか判らない。


皆さんもお名前を出せば知っている思う日本でも先頭を走る某大型花市場はマスコミ取材や様々な業界誌に紹介され、そのウェブサイトは他の力も作用して有名ではあるが、10数年以上も前からネット販売についての先見性は持っていたし情報をさばく大切さの重要性も知っていた。そして今も盛んにネットを推進している。しかし、この某大型花市場に至っても、市場法という厄介な網があることや登録買参人の配慮から公に外へ向かって買参権の無いものに売ることは表向きに控える事情は察しするが、それでもウェブ戦略的な姿は残念ながら見てこない。

先頭に立つ、この花市場のネット取引がこれなのであるから、ブランド力と先見性の充分でない無名に近い花市場サイトが現状のようなウェブ戦略的見地から言えば、余りにも幼稚であるサイト運営を行っていたのでは、益々、その差は開くばかり。開くばかりならまだしも、このように何のウェブ戦略ももたない花市場サイトが、日本の花卉流通部門の第一線であるかと思えば些か寂しい感もしなくでもないと思う。



そして、これが問屋(仲卸)に至るともっと深刻になる。なんら知名度も無い一問屋がどうやって花を全国の花業者売っていくのか甚だ疑問な点が多い。まさか既顧客だけのためにネット販売を始めたわけでないだろうに、ウェブへアップしただけで、コンテンツも代わり映えしない在り来たりな情報を配信して、一体売上にどれほど貢献しているのかという、と恐らく大して期待も出来ないだろう。


ところで“花問屋”や“花市場”また “花の仲卸”というキーワードで検索にかけると上位表示に出てくる花の卸を本業としているサイトが1〜2件ほどでは余りにも寂しい限りである。このように卸もしくは問屋各社が如何にインターネットという媒体に力を入れていないことが良くわかる。ましてやSEOなどという戦略も取り入れたサイトは皆無ではないかと思われる。つまり、上手くウェブ戦略を推し進めていないということだ。本当にもったいない事だと思う。時代は先を走っているというのに、当事者がいつまでも旧態としたマーケットに固守することの矛盾をもっと考えて欲しいものだ。

SEOがこれであるから販促プロモーションに至っても然りで、何をもってサイト運営を行っているのか、そのコンセプトも見えない状態ではないだろうか。ホームページは作っただけでなんら効力も発揮しない。後の運営にその結果はすべて託される。また、ウェブ運営での予算配分も初期段階でのサイト制作で予算を使い果たすことはないと思うが、大切な後のサイト運営の予算に影響を及ぼすことは避けなければならない。






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