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| 2002/05/14 |
| コンピューターの進化のおかげで花卉業界も商品コードなるもののデーターベース化に取り組んでいるが、物流の効率化にどれほど貢献するかは未知数である。著者の予想では数字を並べただけで、使い勝手が悪く形骸化するであろうということである。販売の効率化への近視眼的取り組みで業界人全般への利益には貢献しないと思う。 それよりも、品質についての信憑性を追求した規格化の方が先であると思うのだが。もちろん品質の規格化というものが、どれほど面倒かは誰しもわかる。しかし、その困難な取り組みが消費者や業界人の信頼という財産として利益に跳ね返ってくることは確かである。 ところで現在でも花の規格は一応あるにはあるのだが、実は大して機能していない。 「なんで、これが特級なの・・・・?」と、首を傾げたくなるような事は日常茶飯事で、見識のある業界人ならば、まず信用していない。むしろ一番信用できる規格は誰が作ったかということだ。つまり生産者の名前である。 何故、これほどまで陳腐化したあてにならない規格を使うか、少し長くなりますが興味のある方は読んで見てください。 |
| 花の規格事情 |
| 花には等級という業界で定められた(?)規格が一応あります。秀・優・良・格外と言う品質を表す値と4L.3L.2L.L..M.S.SSという長さを表す値から成り立っています。しかし、出荷者の中にはABCというアルファベット表示を使う出荷団体もあり、そのA表示がB級品を指していたりもします。もうこうなったら滅茶苦茶ですね!! また、チョット残念ですが、この表示をどのように読むかという定義も身につけていない花屋もたくさんいます。 |
| 長さはメートル法という規格がありますから、センチメートルで表示されれば、各人が同一の認識を持つため先ず間違い有りません。しかし、秀や優という、その花の品質を決める値は何を基準に決められているのでしょう・・・・・?ここが焦点です。 花の品質とは(花保ち・美しさ・ツヤ・輪の大きさ・茎の弾力性・色合い・葉っぱの力等)総合的に評価したものです。しかし、ここでこうやって高品質の定義を文字で書いてみると抽象的なものになってしまいます。ということは、花の品質を定義するとはとても難しく、プロの技術である目利きが必要となります。 そこで、これほど難しい品質評価を誰が決めているのかと言う疑問が沸いてきます。 それは生産出荷する側が決めているのです。(農協組織の集荷、選花場も含む) 販売代行を行う卸売市場でもなく花屋でも無いのです。また、もっとも公平な立場を保てる第三者機関でもありません。実は身内の評価を身内が決めているのです。もっと、詳しく説明すると全国に散らばった各生産農家の畑内で一番良いものが最上級の「秀」となるのです。また、複数の生産者が一つのブランドとして、まとまって出荷(共選共販)した場合も同じです。個人が組織になったというだけです。 全国で組織や個人の生産者を含めると数十万といます。つまり生産者の数と同じだけの何十万もの「秀品表示」が存在することになり、どれが本当の秀品なのか見当が付かなくなります。 しかし、こうなる理由はあります。基準とする対象が無いからです。また、基準となる値が仮に有ったとしても現状の生産者自身が決定権を持っている品質判断や表示では何も変わらないでしょう。手塩にかけた息子は誰しも可愛いものです。そこに判断の甘さが出てきます。私がやってもそうなるでしょうね。 つまり、Aという生産者の「秀品」はBという生産者の「良品」に比べて2ランクも落ちる「粗悪品」ということも現実に多くあることです。規格のラベルだけが秀品として一人歩きし実際には数ランクも下がる品ということなのです。 また実際に腕のいい生産者が自らの判断で2級品として上場しても、他の生産者の特級品より数段もランクアップされた評価を花屋さんから受けるものも、たくさん存在するわけです。ですから一概に等級だけでは判断できないと云う事になります。「いい加減な規格」といった意味がこれでお判りいただけたと思います。 |
| 定義なき無差別品評会 |
| そんなグレー部分を多く含んでいる花の規格基準でランク付けされた花が大型市場には等級別で数百・数千と入荷上場されます。そして、その表示には何の情報公開も無く出荷団体のつけた表示のまま売られています。まるで不当表示の無法地帯です。その中から本当の特級品を見分けるのは至難の業です。現状の上場態勢では先ず不可能でしょう・・・。 とくに現物を見ないで買うネット取引や地方転送荷物では、表記された文字だけが一人歩きして、実際の品質を確認することは出来ないのです。買った後にこれが特級?という感想が聞こえてきそうです。 恐らく、こういった買う側と売る側の認識の違いが原因で取引トラブル、つまりクレームが多くあるのではないかと思います。実はこの辺の事情を承知で偽りの販売を仕掛けている卸売り業者もいると聞いています。 中身は2ランクも落ちる品質でも表記が秀ということで、本当に優れた商品と同価格で売られるという価格評価の不均等が発生しています。販売する市場としては多くの2等品があるより特級品が多くあった方が売上に貢献することは確かな事でしょう。ですから等級に付いての是非を言及することに消極的です。 勝手に目利き機能を働かせて選別せよと言う無関心を装っている風に感じることがあります。 障らぬ神に祟りなしとでも言うのでしょうか・・・・・・? |
| 例え、日本一の花博士と自負している業界人であろうとも、日本一の品質であると断言する事の出来る人はいないと云えるでしょう。 |
| その結果 |
| では、現状の規格形態のまま取引されると、どのような問題が起きるのでしょう・・・・・。 生産者は・・・・。 信用低下・自己の生産技術水準の把握が出来ない。目的意識の不明瞭化。正当な品質評価が価格に反映されない。いくら良い商品を作り出しても一般の花ファンから尊敬や目標とされるような地位向上は望めない。そして、いつまでも貴方の作った花のブランドは確立されません。 市場は・・・・。 信用低下。生産者への提案や願望を正確に伝えられる指針がない。市場外流通の助成。品質評価機能低下。結果オーライの売上第一主義。品質を正当評価出来る人材が育たない。 花屋は・・・・。 最高級と自負する商品が隣の同業者はもっと良品を売っていた。(これって笑えませんよね・・・。)正当な価格での仕入と販売のアンバランス。品質に合った正当価格販売への弊害。販売時での宣伝効果の低下。何でも有りでマーケットの荒廃。目利き能力の低下。 |
| 業界人への問いかけ 「これぞ品質日本一のバラ・カーネーション・菊」と声高々に云える人が果たして何人いると思いますか・・・・?貴方は日本一の花を見たいと思いませんか・・・。 |
| 花屋の目 |
現状の取引関係の中、買う側の花屋としては各生産者(出荷団体)への暗黙のランク分けが行われています。しかし、それらの見分けも、それ相当のキャリアが必要です。しかし、これとてやはり正確性に欠ける事は否めません。どちらにしても不明瞭な商取引が行われ不利益を被っている人が存在する事に違いはありません。 次にいい加減な規格に対して花屋はどのように対処しているか、規格は目安にはするが最終決定には成りません。まず、決め手は生産者の名前を覚えることです。次に信頼できる同業者からの情報です。この情報が一番的確です。「あの生産者はダメだよ。そんなに値段出す必要ないよ。」「安く売るならあそこ。」「あの産地には騙されたことがない。」など、ここでは過激過ぎてかけませんが、生産者の方が聞いたらビックリする具体的な言葉が飛び交っています。それはリアルです。 ところで市場側からの情報はあまりあてにはなりません。全く信用されていないと言ったほうが適切だと思います。 |
| 品質規格の統一は可能か? |
花流通も近来の情報技術の波に乗るようにインターネットでのBtoBを目的とするサイトが目立つ様になりました。しかし、これらウェブサイトに共通して云える事があります。 従来に取引き関係のある市場がウェブ取引を開設した場合は既存の荷姿(商品)なりが、ある程度買う側には見えてきますが、新たに取引を開始する新規ウエブサイトはここまで解説した「いいかげんな規格」しか見えてきません。実際に取引関係にある市場でさえ規格の信憑度が低いのにバーチャルなウェブ上での取引が活発に行われるとは信じがたい事ではないでしょうか・・・・。 恐らく物日(繁忙期)に荷物確保と言うプレミアで活発にウェブ取引が行われるでしょうが、普段の取引になるとその勢いも静かなものとなるのではないでしょうか。一時的に売上を伸ばしてもクレームの山ばかりが残ったでは将来的な展望は寂しいものとなるでしょう。荷物確保と言う圧倒的優位なポジションの花市場が現状取引で買い手である小売商は満足であるだろうとする誤認識を払拭しない限り、いつかは信頼ある標準規格を武器に第三者の卸売業が現れたときは、現状のぬるま湯に浸かりきった花市場はあっという間に淘汰されることは間違いないでしょう。 先ずは販路拡大でのテクニカル的向上を目指す前に各出荷団体の圧力に屈せず、「誰が何と云おうとわが社の品質規格はこれだ!!」と云える厳格なる各市場固有の規格を築き上げる事が責務ではないでしょうか。厳格なる規格があってこそ、ウェブ取引での競争に勝ち残って行ける、と私は信じています。また、リアルな市場運営も然りである。 そして、生産地情報、生産物情報というもっとも大切な情報公開を行う事によって、お客様の信用が得られるのでは無いでしょうか。また、生産する側にとっても厳格なる規格があって始めてもの作りの目標が出来、結果正当な価格と云う評価が得られるのではないでしょうか。今現在の状況では不当評価や過大評価。また違った力関係で評価を得ることのまかり通る世界では技術有る生産者の意欲低下を招き、生産技術の水準を低下させ花卉業界にとっても大きな損失と考えます。数が切れる産地イコール一番ではなく、品質一番で競っていただきたいものですね。 A社の扱う特級はどこの花市場が扱う特級品より優れている、と認識させた時、始めて全国制覇という大目標が見えてくるのではないでしょうか。 |
| 「なぜ統一規格が出来ないか、また作ろうとしないのかの真実は」 NEXT |
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