| 2002/09/11 |
| 先ずは下記のレポートを読んでいただきたい。 良く目にする新規事業の外資との合弁話のプレリリースである。 この記事で全く興味を示さないか、花き産業の将来を予見できるかは あなた次第です。 |
| 9月10日読売新聞経済欄に「キリン、花き事業合弁」という活字が載った。 サブタイトルに「米ドールと 販売ネットワークの活用」とある。 キリンビールは九日、世界最大の青果物生産・供給会社の米ドール社と、花き事業合弁会社を十二日付で設立すると発表した。スーパーなど量販店向けに切花などの加工・供給すると共に、両社の販売情報ネットワークを生かして商品開発や産地指導を行う花き総合卸売事業の展開を目指す。 2003年度の売上目標は九億円で、五年後は百二十億円へ拡大を目指している。まず大手スーパーのイオンに商品供給を行う予定だ。 切花市場の約20%を占める量販店市場は今後も拡大が予想されることから、量販店向けに青果物などを販売しているドールの全国的な配送システムや販売ネットワークを活用することで、販路拡大につながる事を期待している。 以上読売新聞より引用 |
| 量販店スーパーなどが取り組んでいる無人花束販売、古い例えであるがカジュアルフラーと云われるものだ。おりしも前回のレポートで無人販売の現状を書いたが何とタイムリーな話題であるため、将来の花き販売現場の動向を予見する意味からもうすこし掘り下げてみようと思う。 無人での花束販売システムと形容できる取り組みはバブルが始まる80年初頭からの歴史がある。当時は市井の花店が暇な時期の売上補足とロス処分の意味も含みながら、地場スーパーなどの店頭へ安価な花束を無人で置き始めたのが始まりである。しかし統計に残るような商いは成立せず、また、バブル経済に乗ってどこの花屋も本業が好成績という側面から管理体制はずさんで古くなったものをいつまでも交換しないという、売れなくて当たり前の状況を作り消費者から支持をうけないまま自然撤退という事をくり返す程度だった。 好景気に押され所得が上がる消費者も高級志向になるわけで、いわゆる国民総中流と勘違いした時期だ。そんな社会経済におされ無人販売で花を求める層は無知識人というレッテルを貼られることになる。確かに過去の卸売り価格と現在との差は大きく、安価で高品質な花束を加工できなかったといえば云える。また商材の調達が難しかったといえ現実には消費者の購買思考が量販的花束に向いていなかったという方が正しいだろう。 花業界全体もそんなことしなくてもバブル経済のお陰で法人需要や高級切花への思考高く、薄利多売を基本とする労多き量販なんてという軽視すらみえた。また、生産地も花の質よりも2L・3Lといった長さ表示の規格で高値傾向にあった為、茎の長さを競う愚かな施策を試みた時期でもあった。まあ、生産者というよりも業界全体が浮かれていたと云った方が正解だ。まあ、その時期20年先の現在を予見して量販に参入するのはおっちょこちょいか、立地条件の恵まれない小売店ぐらいであったのも事実だ。 そんな中、バブル崩壊のあおりを一足先に受けた青果物販店が売上の減少分確保に花きに目をつけ販売網を拡大するのである。確か中央卸売り市場の大型化が進んだ10年ほど前から卸・小売を問わず青物商関係者が花市場へ出入りする姿が目立つようになったのもこの頃である。つまり量販的販売手法の抵抗感がわりと薄い青物商が大型量販システムの仕掛け人であることは確かなことだ。 そんなあおりを受けた花商は危機感を持ちながらも、至ってのんびりとしたものである。利益拡大という商業の本道という大志を抱いてのビジネス参入という図式から程遠い花が好きだという趣味嗜好からの参入組みの多い業界である。是が非でも今日中に売り切ってやるという青物商の迫力には勝てっこないし、一度、バブルで美味しい味を覚えた花商が対峙して量販を仕掛けても、やる前から勝負は見えている。 安売りなのか高級志向なのか、特徴が見出せないまま相場任せで小売価格を変動させる中途半端な花屋であるうちは間違いなくマーケットから退場という憂き目を味わう事は確実だ。 |
| 予測がつくこと |
| ということで先に引用したプレリリースの記事で予測がつくことは、量販店やそこに納入する花束加工業者の熾烈な戦いが始まるという事である。消費者にとっては嬉しい現実だが、先のキリンとドールの合弁事業で予定通り5年後には百数十億の商いを達成したとしても、一社独占とは考えにくい、必ず競合他社の台頭がある。 すると売上はこの比ではなくなる。つまり量販安価マーケットは拡大するを意味するわけで、次に、この競争で影響を受けるのが卸売り現場である。事実卸売り市場の販売手数料の自由化も目の前だ。これが自由化されれば間違いなく今以上に荷物が一極集中することになる。量販店には調達コスト削減という好条件が揃う。 次に家庭内消費を主力とする一般的なパパママストアー的な花の小売商である。現状でも花束加工業者の努力で、数年前と比べると数段もレベルアップされた花束が安価でスーパーなどの量販店に並んでいる。また、このところとくにそれらの花束を手に持った消費者を目にする機会がある。次世代の消費者はなんの抵抗感もなく量販などの安価な花を自家消費に使う事は目に見えている。 いまのままでは、もう既存の花店で自家消費用の花を買い求める意味すら残念だがなくなってしまう。花店を利用する頻度は極端に落ちる事は確実だ。 |
| 生き残る手立て |
| では、既存の花商が生き残る手立ては何かという事だが、キーワードは特殊ということになりそうだ。ブランドとして特殊であることだ。貴店でしか出来ない技術(総合デザイン)や目利きである。決して価格の競争ではない。ラッピング然り、関連資材なども統一感を持たせ時代を読む能力が必要だ。 従来の名ばかりでどこにでもあるようなギフト専門店色を出しても消費者は見ぬく。つまり量販もその世界で高度になりつつあるのだから、専門店も想像も付かないほどの進化を遂げなければ生き残ることは難しい。 早い話が基本的に大手の真似できない小回りが効くという資源を武器に最大限の取り組みが必要である。例えを上げれば失笑を買うであろうが、あえてあげれば"歌って踊れる花屋"とか来店すると必ず"笑わしてくれる花屋"など、例えが突飛であるが、お客が楽しさを求めるような店である。また、"インターネットで花に関連した事は全て調べてくれる花屋" "数千のアレンジ見本をパソコン高画質で注文が出来る花屋などである。ここに上げた例は著者が気ままに思いつくままの愚作を文字にしたものだが、これらの愚作も想像するくらいの柔軟な想像力を働かせない事にはこれからの花業界では生き残る資格は無いのかもしれない。 待っても風は起らないという基本に返ることであるかもしれない。 想像力こそ物が出来る原点である。 |
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