パリの街を歩いた事のある方なら、気がついている方も多い事でしょう。フローリストに限った事ではないのですが、パリのブティックでは、どこもお店の顔でもあるvitrine(ショーウインドー)には非常に力を入れています。
ただ売り物を並べて見せるだけではなく、店頭のウインドースペースを目いっぱい使って魅力をアピールする為に装飾するという意味合いが大部分を占めている感じがします。
私が働いていたフローリストでも当然の事ながら、vitrineの装飾には相当力を入れていました。そのシーズン毎に、テーマに添って全体の大変更をしながら、また生のお花を扱うわけですから、毎週新しい花や小物を使い、道行く人の目を止める為に装飾を施します。
Vitrineには当然売り物をそのまま飾っている事もありますが、販売目的ではなく、ただウインドーを飾る為に使われる小物類や花も沢山あります。
日本では、デパートなどで季節ごと、イベント毎に変わる綺麗に装飾されたウインドーが良く知られた所かと思いますが、小さなブティックやお花屋さんなどで装飾に凝っている所には、なかなかお目にかかれないものです。
これもヨーロッパとの文化の違いなのかと思うのですが、本当にパリでは、ウインドーを素敵に飾っているお店が多くあります。正に、ショーウインドーはお店の顔であり、命なのですね。フローリストの場合は、当然、生花を使った飾りですから毎日のメンテナンスは欠かせませんが、レイアウトチェンジをし、毎週月曜日か火曜日に入れ替えをする所がほとんどです。

店の中に入らずとも、ウインドーの外から眺めるだけでも、そのセンスの良さ、斬新さなど知ることが出来るお店が多くあるのは、パリの魅力のひとつであると思います。私が3軒目のスタージュ先を探そうとしている時、一緒に働いていたパリジェンヌの同僚からは「とにかく、良くVitrineを見て、そのスタイルが好きかどうか、それが一番大事」とアドバイスされたものです。
良いお店、センスのいいお店は必ずVitrineにも力を入れていてアピールしているのです。もちろんVitrineはそのお店の魅力の一部であり、実際に働いてみると、どこの店でも違った特徴があり、店頭だけでは見ることのできない沢山の魅力が隠されているものです。中でも一番力をいれるのは、ノエル(クリスマス)時期の装飾でしょうか?商戦期であるノエル時期、当然ながらフローリストもがんばるのですが、この時期はブティックのウインドーだけに限らず、街路樹や商店街、街中が装飾されます。毎年シャンゼリゼ通りの電飾は日本でもニュースで報じられる程有名ですよね?
気の早いパリでは11月あたりからノエルの装飾が始まります。そして、街中の飾りや電飾などはお正月の飾りの習慣もないため、年明けも15日ぐらいまでは平気で飾りっぱなしです。
ノエルの時期のイルミネーションやウインドーの飾りが有名なデパート、ラファイエットやプランタン、ボンマルシェなどのウインドーは、いつにも増してお金のかかった、見ごたえのある装飾で、ウインドーの前には人だかりが出来、子供用の見学台まで用意されているほどです。
普段のパリのウインドーも充分見ごたえのあるものではありますが、正に今の時期ノエルシーズンにパリに行かれるラッキーな方は、ウインドーを見るだけでも楽しい「ウインドーショッピング」を是非楽しんでください。ただし、この時期デパートのDECOはパリの人らでもごった返すほどの、混雑です。美しいウインドーに気を取られて、盗難などで大切なものを無くさない様、ご注意くださいね。

|
|