つい先だってインドへ出かけたので、今回もそこで目にした花のことを報告します。
バンガロールといえば、日本では「インドのシリコンバレー」として知られていま
す。広大なデカン高原の南に位置し、海抜900mほどであることから年間を通じて過ご
しやすい気候だとはいうものの、日中の陽射しは強く、25度C前後になります。コン
ピュータ関連産業とともに発展した街の新しい部分には、大きなショッピングセンター
やデパート、オフィスビルが並んでいます。
しかし、この街にも古くからの歴史があり、旧市街に行くと小さな店が軒を連ねる
商店街があります。その中心となっているのが、大きな公設市場です。生鮮食品から
日用品、神様グッズまで、何でも揃っています。
この市場の地下のフロアは、軒並み花屋さんでした。地下といっても建物中央の吹
き抜けから自然光が入ります。この市場の花屋さんは切り花ではなく、茎を切り落と
した花首だけを売っています。この花を買って帰る人もいますし、買ったものをその
場でつなぎ、花輪にして売っている人もいます。街を歩いている時に、束ねた髪にチ
ューベローズらしい白い花をつないだものを飾っている女性を何人か見かけたのです
が、自分でつくるより、おそらく出来上がったものを買うのでしょう。神様に捧げる
花輪もあります。一色のものばかりでなく、間に違う色、花を入れたもの、中央に大
きな花を入れた豪華なものなど、それぞれに作り手のセンスが活かされていました。
菊、マリーゴールド、ダリアのように一輪ずつがしっかりしている花は、床に大き
な山にして積んであり、そこから袋にどさっと入れます。チューベローズやジャスミ
ンなどの華奢な花は、小さな箱にふんわり入れられています。いずれも、重さで値段
が決まっているようでした。
淡いピンクのハスは、少し開きかけた蕾の状態で、やや茎を長く残してあります。
花を痛めないように、花の位置を少しずつずらして円を描くように置き、重ねてある
のがハスでつくった筒状のタワーのようになっていて、美しいのです。
お客さんも売り手もたくさんいる花売り場の広さ、そこにある花の量と種類の豊富
さに、花が人々の暮らしに欠かせないものだということを感じました。