12月にニューデリー、カルカッタを訪ねました。
ニューデリーの住宅街では、公園を巡る歩道にいろんな商売の人たちが点々と露天
の店を出していましたが、少年が店番をする花屋さんもありました。庶民が食料品や
衣類、日曜雑貨を買いに行く市場にも、花屋さんがあります。
この季節はグラジオラスのシーズンらしく、どこの花屋さんでも赤、白、ピンク、
クリーム色のグラジオラスがたくさん並んでいました。ほかにはカーネーション、ガー
ベラ。アンスリウムなんかも見かけました。
そうした中でも目を引いたのは、華やかに咲くチューベローズです。ニューデリー
の周辺で使われている言葉ではラジニガンダというそうです。あんまりきれいなので
欲しくなって、6本買いました。カスミソウ(日本で見るものより花が大きくてまばら
でした)を添えて束にして、セロハンで包んでくれましたが、足元はそのまま。日本
円で100円ほど、ミネラルウォーター(1リットル)3本分くらいの値段です。
できあがった花束を受け取ると、とても香りがよく、いい気持ちになりました。旅
先でも、花は気持ちを豊かにしてくれます。
嬉しくて花束を抱いて歩いていたら、向こうから牛がやって来ました。ニューデリー
の街をぶらぶらしている牛は、野良牛ではなくて、放牧されている飼い牛だそうです。
よく見てみれば、耳に番号が書いてあったり、首にカウベルをつけているのもいます。
ニューデリーの街には公園がたくさんありますけれど、それほど牛の食べ物が豊富だ
とは思えません。
牛たちは夕方になると、自分でうちへ帰るそうで、私が出会った牛も帰り道だった
ようです。その牛が、私のほうへどんどん近づいてきます。彼女(お乳をしぼる牛だ
から、雌だと思うのです)の進路から横によけても、私のほうへ来ます。どうやら、
持っていたチューベローズの香りに誘われているらしいのです。
おいしそうな香りだと思ったのかもしれませんで、なんだか花の好きな牛に会った
みたいで、楽しくなりました。でも、お花屋さんに申し訳ないし、花をなんとか隠し
通して、宿に持って帰りました。
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