HANA見てある記   by 宇佐木やよい




第三回 ◆インド編2・神様に捧げる花 6/13/2002




 インドはさまざまな民族、言葉、宗教の国です。よく考えてみれば、世界の国のほ とんどが多民族、多言語、多宗教ですが。  

 インドで最も大きな宗教グループはヒンズー教です。ヒンズー教にはシバ、カーリー などいろいろな神様がいます。神様たちの存在は人々の生活の中に生きているそうで、 大きなお寺だけでなく、街角のあちこちに大小さまざまな祠があります。人々がお参 りするスペースのある祠もあれば、神様をまつってあるだけの祠もあります。  

 そうした祠の近くには、必ず神様に捧げる花輪を売っている店や屋台があります。 これは、花屋さんとは別。インドの映像にもよく出てくる、マリーゴールドの花輪だ けをつくって売っています。。  

 花輪に使われるマリーゴールドの中には、深紅のものもありました。花輪屋さんは、 店先にマリーゴールドの花首だけを切り落としたものを山積みにして、花輪をつくっ ています。10cmくらいある太い針と凧糸で、花をすいすいつなげていきます。花輪屋 さんにはおばさんもいれば、おじさんもいました。  

 マリーゴールドだけの一色の花輪が多いのですが、中には白いカーネーションをア クセントに5、6か所に入れたものもあります。きっと、それは高級品なのでしょう。 面白半分で、神様に捧げる花輪を買うのははばかられ、値段は聞きませんでした。  

 どんな祠の神様も、マリーゴールドの花輪がかけられ、あるいは祠の入り口をモー ルのように花で飾ってあります。そのどれもが、生き生きとした花で、つい最近かけ られたばかりのようでした。  

 カルカッタから車で4時間ほどの先住民族の村へ出かけた時、村の入り口に花輪を かけられた二人の人物の銅像がありました。そのサンタールという先住民族の英雄だ そうです。マリーゴールドの花輪は、人々が敬う人にも捧げられるようです。この村 の人々は、かつてバプテスト派のミッションが入っていたことから、キリスト教徒で した。  

 神様や尊敬する人に捧げる花として、どうしてマリーゴールドが選ばれているので しょう。次の機会には、誰かに聞いてみたいと思っています。

 
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◆プロフィール 「 宇佐木やよい 」 フラワージャーナリストという肩書きも持っているフリーライター。 花については共同通信でずっと書いているほか、生け花関連誌、園芸誌などでも執筆。
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