HANA見てある記   by 宇佐木やよい




第四回 ◆ソウル 手作りのプレゼント 6/30/2002



 ソウルには東大門と南大門に大きな市場街があります。どちらも食品や日用雑貨が ありますが、東大門は以前から衣料品の問屋が多く、最近では若手のデザイナーたち が店を並べるファッションビルが日本人観光客にも人気のようです。ソウルの原宿と でもいう明洞(ミョンドン)に近い南大門は、食器や調理器具の問屋さんもたくさんあ ります。  

 その南大門の問屋街、ビルの1フロアいっぱいに花の問屋さんがあります。日本で いうと仲卸のような感じです。私がここを訪れたのはもう5年くらい前のことですが、 50本とか100本単位の束がどさーと積み上げられている様は、ちょっと日本では見 られない光景でした。一番下の束がつぶれてしまうのではないかと、いささか心配で した。日本に比べるとパステル系の色が少なかったのも印象に残っています。  

 ここには、街で引き売りをしている人たちも仕入れにきますが、一般の人たちもやっ て来ます。誰でも買えるのですが、小分けにしてはくれません。切り花のほかに大き なアレンジメント、造花や資材も並んでいます。  この花問屋に連れて行ってくれた友人は、先輩の卒業式のために、クラスメートと 一緒に花、ラッピングペーパー、リボンなどを買って、自分たちで花束をつくったそ うです。韓国では、そうした手作りの花でお祝いするのは、ごく一般的だということ でした。一つには、そのほうが安上がりだからですが、同窓生のつながりの強い韓国 らしい心づかいだとも思います。  

 おしゃれで見栄えのする花束が似合う場面もあります。華やかで立派なアレンジメ ントがふさわしいシーンもあります。時には、かわいらしい手作りの花束が喜ばれる こともあるでしょう。贈る人をイメージしながら、花を選び、心をこめて花束をつく るのも、花を楽しむ一つの形のように思います。
 
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◆プロフィール 「 宇佐木やよい 」 フラワージャーナリストという肩書きも持っているフリーライター。 花については共同通信でずっと書いているほか、生け花関連誌、園芸誌などでも執筆。
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