| 第五回 |
◆ナイロビ 大自然と都市の花 |
7/15/2002 |
ケニアを旅行したのは、もう10年ほど前のことです。
ケニアといえば、ライオンやキリン、象といった動物たちを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。でも、動物たちが静かに暮らしていられるのは、保護区になっている国立公園やその周辺のことです。マサイ・マラ国立公園へのサファリでは、日本は象牙の印鑑を使っているだろう、とガイドの青年に言われました。もちろん、象の密猟についての話の中でです。日本もワシントン条約に加盟していて、象牙の輸入は禁止された、と弁解しなければなりませんでした。
大自然ばかりが取りあげられるケニアやアフリカの国々ですが、そこには当然ながら、人々が暮らす都市があります。ケニアの首都、ナイロビの中心街は、イギリス植民地時代の面影もあるのでしょうが、整然とした近代都市です。
その街のあちこちに、路上いっぱいに花を並べる花屋さんがありました。
当時から、ケニアはヨーロッパの市場に花を供給する産地でした。特にバラの生産量は多かったのです。
ナイロビの街角の花屋さんには、バラをはじめカーネーション、ユリ、グラジオラス、スターチスなどのほか、その頃は日本であまり見かけなかった大きなヘリコニアといった南国らしい花がありました。もっとも、ナイロビは高原の街で、全然暑くないのですが。
花屋さんに並ぶ花は、自然の中で見た花とはまるで違いました。都市の生活をうるおす花は、やはり見栄えのする栽培品種であり、売るために生産されたものでした。
バケツに入れた色とりどりの花の隣には、大きなアレンジメントが並びます。教会に持っていくのか、十字架の形につくったアレンジメントもありました。
花を求める人間の思いというのは、特に都市においては、みんな同じなんだと思います。
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