HANA見てある記    by 宇佐木やよい




第六回 沖縄 南の国の花畑 8/12/2002

 
 沖縄で花の生産者を訪ねたことがあります。那覇の近郊ではストレリチアと小菊の畑、デンファレの温室を見せてもらいました。12月の初めでしたが、沖縄は暖かく、太陽がいっぱい。デンファレの温室は加温はしていないし、ストレリチアも温室ではなく、ただの畑で元気に育っていました。

 途中で目にするのも、サトウキビ畑やパイナップル畑、トロピカルです。どこを歩いていた時だったか、パパイヤの木にいっぱい実がなっていました。案内してくれた方によると、珍しくもないので、誰も実をとらないのだそうです。もったいないなあと思ってしまいました。庭木の柿の実が取られずにそのままになっているのと似ているのかもしれませんけど。

 もっと南の石垣島では、ヘリコニアと観葉切り葉の畑に行きました。大きなモンステラの青々とした葉っぱは、さまざまな形の切れ込みが入って面白く、好きなグリーンです。生産者の方は、大きくなるほど面白い姿になるのだけれど、出荷用の箱に入らない大きいものは市場に出せないと、残念そうでした。

 那覇に戻って、国際通りの市場に行くと、ジンジャーやヘリコニアがいたるところにあって、無造作に売られていました。花屋さんというより、八百屋さんの端っことか、そんなところにあったのです。取り澄ました花ではなく、普段着の親しみのある花という感じがして、沖縄ならではの光景だと思いました。ジンジャーの花が好きな私にはとても贅沢な気がしましたが、土地の人にとってみれば、パパイヤと同じで、全然珍しくないのでしょうね。

 人間は珍しいものや新しいものが好きなのかもしれません。でも、新しいものも、いつも手に入るようになれば面白みが薄れます。最近になって、子どもの頃から目にしてきたレンギョウや紫陽花の花をしげしげ眺め、改めてきれいだと思うようになりました。東京でも珍しくなくなったヘリコニアやジンジャーですが、その個性的な姿がやっぱり好きです。次に沖縄に行く機会があれば、市場で花をたくさん買いたいなあと思っています。


 
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◆プロフィール 「 宇佐木やよい 」 フラワージャーナリストという肩書きも持っているフリーライター。 花については共同通信でずっと書いているほか、生け花関連誌、園芸誌などでも執筆。
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