| 第七回 |
◆シルクロード 鉢で楽しむ花 |
8/26/2002 |
タクラマカン砂漠の北と南には、かつてのシルクロードがあります。東西の文化が渾然と息づいているこのあたりは、現在では中国のウイグル自治区で、主にイスラム教徒の人々が暮らしています。民族もウイグル人、カザフ人、モンゴル人などなど、多様です。同じウイグル人でも金髪で目の青い人もいれば、アジアっぽい顔立ちの人もいます。
シルクロードの町といえば、オアシス。想像の中では、泉のようなものの周りにちょっと木があり、草が地面をおおっているというのがオアシスでした。しかし、そこには広大な畑があり、豊かな農作物があふれていました。旅をした9月は果物がもっとも豊富な時期で、ハミウリ、メロン、スイカ、イチジク、モモ、ザクロ、ブドウ、ナツメなどが市場に彩りも美しく山盛りで並んでいました。
タクラマカン砂漠は北に天山山脈、南にコンロン山脈があり、その雪解け水が地下水となってとうとうと流れているのだそうです。人々はロバの引く木の車で、ポプラ並木の続く道をゆっくり、時にはいそいそと行き交います。
カシュガルで訪ねた保育園には、花畑のような庭があるだけでなく、園舎の前にたくさんの鉢植えが雛壇のような台に置かれていました。それはベゴニアや小さなザクロ、珍しい花をつける多肉植物などでした。
市場でも、素焼き鉢の鉢植えが並ぶ花屋さんがありましたし、普通の家庭でも鉢植えをさまざまに飾っていました。
イスラム教の文化では、庭を大事にするのだと思います。スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿にも水と植物の豊かな庭園があります。アラビアンナイトには、果物や花がいっぱいの庭がたくさん出てきます。絨毯の図柄にもさまざまな花や木が描
れています。きっと植物が好きな人々なのでしょう。
町の暮らしを彩る花は、素朴な鉢植えでしたけれど、そんな植物が好きな人たちの心を映しているように思えました。シルクロードの人々は、5000mを越す山々や砂漠の厳しい自然と隣り合わせに暮らしているだけに、ひと鉢の植物のいとおしさが増すのかもしれません。
|
|