| 第八回 |
◆南太平洋の森 バヌアツ |
9/19/2002 |
南太平洋の島国バヌアツ共和国は、ニューカレドニアの北東に位置し、南北900km
にわたって点在する大小80余りの島から成っています。独立したのは1980年。それま
ではイギリスとフランスの共同統治下にありました。バンジージャンプの発祥の地も、
バヌアツの島の一つです。本来は、大人になるための通過儀礼で、日本でいえば元服
のようなものです。
2000年の夏、独立20周年を迎えたバヌアツを訪ねました。夏といっても、それは北
半球でのことですが、南緯22度くらいにある首都ポートビラの気候は東京より少し過
ごしやすいくらいの感じでした。
首都と2、3の町を除けば、ほとんどが自給自足に近い質素な生活をする国です。こ
の10年で農作物の種類は豊富になっているようですが、多くの南太平洋の島々と同じ
ように、人々の主食はタロ芋などの芋類です。
ポートビラの町を出ると、道はでこぼこになります。最大の輸出作物であるヤシの
農園があるほかは、南国らしい森におおわれていて、初めて見る名も知らぬ木の間に、
時々小さなバナナ畑があります。真っ青な空の下に、濃い緑の森が続きます。土地の
人はそんな森の植物を指さして、ろうそくの代わりになる灌木の実や、船をつくる木
を教えてくれました。
そんな森をおおうようにして、野生の朝顔が咲いていました。生い茂る葉の上に蔓
をのばし、紫色の花が木々の上に咲き乱れている光景は美しいだけでなく、植物の旺
盛な生命力を感じさせるものでした。花そのものは、私たちが見慣れている朝顔とよ
く似ています。支柱にからみつき、さもなければ行燈仕立てにした朝顔の姿しか知ら
なかった私にとって、朝顔の蔓の持つ躍動感のようなものが新鮮でした。
ポートビラからプロペラ機で1時間ほど南へ行ったタナ島では、うっそうとした森
の中に咲くエンゼルトランペット(ダチュラ)の大きな株を見ました。白いシャンデリ
アようで、スケールの大きな自然の中によく映え、実に堂々としていました。最近で
はエンゼルトランペットの鉢植えも出回っていますが、こんなに立派な姿を持つ植物
を小さな鉢に押し込めるのは、ちょっとかわいそうだなあなんて気もしたのです。
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