宇佐木やよいのコラムHANA見てある記
▽▽HANA見てある記 世界の花模様をレポートします。
プロフィール 「 宇佐木やよい 」 お便りはこちらです。
フラワージャーナリストという肩書きも持っているフリーライター。
花については共同通信でずっと書いているほか、生け花関連誌、園芸誌などでも執筆。

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第31回 桜のこと
咲いた途端に強風にあおられたせいか、桜がはなびらではなく、5弁のはなびらの揃った形で落ちていました。ガクのところからもぎとられたような状態なのに、花は美しいままで、なんだかもったいなくて、ハンカチにそっと包んで5つ持ち帰りました。ガラスのお皿に少し水をはり、花を並べたらなかなかいい風情です。

第30回
 パリの紫陽花
久しぶりにパリを訪ねたのが6月のせいか、花屋さんでも公園でも、ずいぶんと紫 陽花の花を目にしました。それが、日本の昔風の紫陽花によく似ているのです。  最近、日本の花屋さんに出る鉢ものの紫陽花は、ハイドランジアという名前がつけ られているものも多く、大きな花(本当はガクですが)房をつけたものをよく見かけます。

第29回
 水芭蕉のこと
4月半ばすぎ、秋田の田沢湖の近くで、水芭蕉の群生地を見ました。桜にはあと少し、という時期だったのですが、水芭蕉は満開、まだ新芽の出ないハンノキの下で、雪解け水と思われるゆるやかな流れに洗われて、静かに咲いていました。もっとも、群生地に設けられた木道を人間たちが賑やかに歩いているのですけれど。

第28回  シントラの庭
ポルトガルで世界遺産になっている街、シントラに行きました。大航海時代にいち早く世界へ出かけていったポルトガルが、貿易で富を得た時代、このシントラは王様をはじめ多くの貴族が避暑地とした場所だそうです。

第27回  絨毯に咲く花
人それぞれ、こだわりのあるもの、特別な思い入れのあるものがあります。 私は、美しい絨毯、はっきり言えば絹の絨毯が大好きです。こういうことは、他人にわかるように理由を説明することは不可能なわけで、ただ、ただ好きなのです。

第26回
  花と暮らす人たち
仕事で園芸の専門家やハーブの先生のお宅を訪ねたことがあります。庭を彩るさまざまな植物、そこから切り取ってなにげなく飾られた花、工夫に満ちたコンテナのどれもが美しく、魅力的でした。それは家や庭が立派だからではなく、その主が植物をいつくしみ、楽しみ、一緒に生きているからなのでしょう。生活のリズム、空間の中に植物が息づいていることが、とてもよく感じられました。

第25回  チューリップの記憶
前回に続いてチューリップの話で恐縮ですけれど、とても印象に残っているチューリップの姿があります。 90年代の半ば、パリの花市場を訪れました。パリ郊外のランジスには、東京の太田市場と同じように、生鮮食品の市場と一緒に花市場があります。当時は、花市場はまだ古めかしい市場でした。仲卸のおじさんが、ここは50年前と同じだよ、なんて半分冗談めかしてそのへんに転がっているバスケットを指して言いました。すると、別のおじさんは、トラックだって50年前と同じさ、なんて言って、みんなで笑っています。古いフランス映画のワンシーンみたいでした。

第24回  人を狂わす花
日本のバブルがはじけて10年になりますが、経済の世界では元祖バブルとして「チューリップ狂時代」が知られています。よく引き合いに出されたので、ご存じの方も多いと思います。これは17世紀のオランダでチューリップが投機の対象となり、ジェットコースターさながらに、あっという間に高騰し、あっという間に値崩れした歴史的事実です。

第23回
  発見に満ちた植物園
ずっと東京にいると、時々、植物園に行きたくなります。温室のあるところならば、南のエキゾチックな植物たちに出会え、ちょっと旅に出た気分も味わえます。植物に関心を持つようになって、植物園が面白くなりました。

第22回
  森のラン
ランといったら、陶器の鉢に仕立てられた大輪の胡蝶蘭やシンビジウム、あるいはあでやかなカトレアをイメージするのでしょうか。それとも、楚々とした風情のシュンランのような東洋ランでしょうか。


第21回  庭のポインセチア
クリスマスシーズンになくてはならない花といえば、ポインセチアです。鮮やかな赤の苞(花びらではなく、葉の一種)と、緑の葉のコントラストが美しいことから、欧米でクリスマス用の鉢植えがつくられるようになったそうです。原産地はメキシコで、19世紀にアメリカに渡ったといいますから、わりに新しい園芸植物です。


第20回  落ち葉のこと
ずいぶん前のことですが、ベトナムからのお客様を案内して冬の東京を歩いたことがあります。その方は、葉を落とした落葉樹の姿を、とても不思議そうに眺めていました。ベトナムには落葉樹はないということでした。熱帯には落葉樹はないのだと、その時、改めて認識した次第です。

第19回  神様の名前を持つ木 インド
インドはヨーロッパ全域とほぼ同じ面積を持つ大きな国です。北はヒマラヤの山々に接し、南は赤道に近いというだけでなく、東西にも同様の広がりがあります。これだけ大きな国ですから、地方によって植物の様子も異なるはずですが、行く先々で目にする植物もあります。


第18回  花に埋もれる市場 インド
つい先だってインドへ出かけたので、今回もそこで目にした花のことを報告します。バンガロールといえば、日本では「インドのシリコンバレー」として知られていま す。広大なデカン高原の南に位置し、海抜900mほどであることから年間を通じて過ご しやすい気候だとはいうものの、日中の陽射しは強く、25度C前後になります。コン ピュータ関連産業とともに発展した街の新しい部分には、大きなショッピングセンター やデパート、オフィスビルが並んでいます。

第17回  南インド・水辺の植物たち
インド亜大陸の一番南、アラビア海に面した側、つまり西側がケーララ州です。ケー ララというのは、土地の言葉で「ヤシの国」という意味だと聞きました。


第16回
  人の心を映す植物
 熱帯、亜熱帯の地域では、日本で観葉植物と呼ばれる植物たちが、庭木や街路樹になっています。赤や黄色い斑入りの葉が美しい様々なタイプのクロトン、ドラセナ類のほか、花を楽しむジンジャーやヘリコニア、ハイビスカスにブーゲンビレアはいうまでもなく、見たことのない花木や葉っぱがいっぱいです。一つ、一つの花や葉の形を見ていると、つくづくと自然の造形の不思議さ、面白さを感じます。


第15回
  冬のブーゲンビレア
海辺のリゾート地といえば、ハワイにしたってグアムにしたって、ブーゲンビレアの花を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。実を言えば、私はハワイにもグアムにも行ったことがありません。でも、タイやマレーシアでブーゲンビレアを見ると、ううーん、リゾートに来た、という感じがしました。沖縄にもいっぱい咲いていました。


第14回  柳あれこれ
今、うちのベランダには雲竜柳がいます。数年前に、仕事でいけ花の先生に花をいけていただいた際に、余った花材だったものです。柳はすぐに根がつきますよ、と言われて、雲竜柳の暴れる枝を育てて、使いたい時に切り取るのもいいなと思いました。小さな鉢に突き刺した一本の枝は、すぐに根をはり、でも鉢が小さいままだったのでたいして大きくなりません。時々、枝先を切って友人に届ける小さなアレンジメントに使ったりします。

第13回  
街路樹あれこれ
ずいぶん前のことですが、ギリシャのアテネで、街路樹に柑橘類が使われているのを見ました。まだ青い実で、レモンなのかみかんの仲間なのかよくわかりませんでしたけれど、実が色づいたらさぞかしおいしそうで、豊かな感じがするだろうと、うらやましいような気もしました。


第12回  
ヤシの葉の快楽 島の記憶
怠惰な性格のため、暑くなるとどこかの浜辺に寝そべる毎日を夢想します。そこには、風に揺れるヤシの葉がなければいけません。そんなふうに思うようになったのは、カリブ海の島、グアドループで1週間を過ごしてからです。

第11回  
物語の中の花と出会う
本を読んでいると、情景描写の中にさまざまな植物が出てきます。見たことのない 植物の名前に出会うと、どんな花なんだろう、どんな葉っぱなんだろう、大きいのか 小さいのか、木なのか草なのか思いを巡らせた記憶があります。不思議なことに、子 どもの頃に読んだおとぎ話に出てきた植物のことをよく覚えています(単なる老化現 象かもしれませんが)。


第10回  自然の力 植物の力 北ヨーロッパ
日本の、それも首都圏で育った私の感覚では、植物の育つ過程はかなりゆっくりしています。冬の盛りを過ぎ、日の光が暖かみを増す3月頃から植物は少しずつ活動が活発になり、気温が上がる4月半ば過ぎからどんどん成長していく。春に芽吹く植物は、それだけの時間をかけて緑にむせかえる夏を迎えるのだと思っていました。


第9回
  熱帯雨林と苦いバナナ オーストラリア
熱帯雨林というと、インドネシアやアマゾン流域の森を連想します。多様な植物、動物の暮らす熱帯雨林は、地球環境を考える上でも大切な場所となっています。そこに暮らす生物だけでなく、私たちが生きるための酸素を供給してくれる場所でもあることを考えれば、熱帯雨林を守ることは私たちの問題でもあるわけです。


第8回  南太平洋の森 バヌアツ
南太平洋の島国バヌアツ共和国は、ニューカレドニアの北東に位置し、南北900km にわたって点在する大小80余りの島から成っています。独立したのは1980年。それま ではイギリスとフランスの共同統治下にありました。バンジージャンプの発祥の地も、 バヌアツの島の一つです。本来は、大人になるための通過儀礼で、日本でいえば元服 のようなものです。


第7回  シルクロード 鉢で楽しむ花

タクラマカン砂漠の北と南には、かつてのシルクロードがあります。東西の文化が渾然と息づいているこのあたりは、現在では中国のウイグル自治区で、主にイスラム教徒の人々が暮らしています。民族もウイグル人、カザフ人、モンゴル人などなど、多様です。同じウイグル人でも金髪で目の青い人もいれば、アジアっぽい顔立ちの人もいます。


第6回  沖縄 南の国の花畑
沖縄で花の生産者を訪ねたことがあります。那覇の近郊ではストレリチアと小菊の畑、デンファレの温室を見せてもらいました。12月の初めでしたが、沖縄は暖かく、太陽がいっぱい。デンファレの温室は加温はしていないし、ストレリチアも温室ではなく、ただの畑で元気に育っていました。


第5回  ナイロビ 大自然と都市の花
ケニアを旅行したのは、もう10年ほど前のことです。ケニアといえば、ライオンやキリン、象といった動物たちを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。でも、動物たちが静かに暮らしていられるのは、保護区になっている国立公園やその周辺のことです。マサイ・マラ国立公園へのサファリでは、日本は象牙の印鑑を使っているだろう、とガイドの青年に言われました。もちろん、象の密猟についての話の中でです。日本もワシントン条約に加盟していて、象牙の輸入は禁止された、と弁解しなければなりませんでした。

第4回
  ソウル 手作りのプレゼント
ソウルには東大門と南大門に大きな市場街があります。どちらも食品や日用雑貨が ありますが、東大門は以前から衣料品の問屋が多く、最近では若手のデザイナーたち が店を並べるファッションビルが日本人観光客にも人気のようです。ソウルの原宿と でもいう明洞(ミョンドン)に近い南大門は、食器や調理器具の問屋さんもたくさんあ ります。  


第3回
  インド編2・神様に捧げる花
インドはさまざまな民族、言葉、宗教の国です。よく考えてみれば、世界の国のほ とんどが多民族、多言語、多宗教ですが。インドで最も大きな宗教グループはヒンズー教です。ヒンズー教にはシバ、カーリー などいろいろな神様がいます。神様たちの存在は人々の生活の中に生きているそうで、 大きなお寺だけでなく、街角のあちこちに大小さまざまな祠があります。人々がお参 りするスペースのある祠もあれば、神様をまつってあるだけの祠もあります。  


第2回  インド編1・牛と花
12月にニューデリー、カルカッタを訪ねました。  
ニューデリーの住宅街では、公園を巡る歩道にいろんな商売の人たちが点々と露天 の店を出していましたが、少年が店番をする花屋さんもありました。庶民が食料品や 衣類、日曜雑貨を買いに行く市場にも、花屋さんがあります。    


第1回
  人は花と暮らす
花にまつわるさまざまな取材をするようになってから、10年以上になります。生け花やアレンジメント、園芸などの専門家にお話を聞いたり、市場を見たり、生産者の方を訪ねたりするうちに、普段から花に目が向くようになりました。生け花も、園芸もまったく素人ながら、花とつきあい続けてきたのは、取材が楽しいからです。花のある所へ行けば、さまざまな花が姿、色、香りで楽しませてくれます。


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このコラムはフラワーギフト専門店「フラワーチルドレン」さんより提供

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